黒澤祐(以下、黒澤)「究極的にはたった2つではないかと。まず、そもそもその問題は正しいのか。そして、最終的な答えはそれで本当にいいのか。この2点を疑うようにしています」

和泉「答えが正しいという概念はよくわかりますが、問題が正しいのか、というのはどういうことですか?」

黒澤「そもそも、今解くべき問題は本当にそれでいいのか、最初の問題設定を間違えていないか、ということです。この3人での対話がスタートしたとき、私が和泉さんにした質問の内容を覚えていますか?」

常に目的を意識して
ゴールを見失わない

 ヒカリはその状況を思い出しますが、質問の答えになるような記憶が浮かびません。

黒澤「この件を今だけの限定的な小さいプロジェクトとするなら、このプロジェクトの最終的なゴールは何かをたずねました」

和泉「そうでした!ゴールが明確になっていない仕事は必ず失敗すると」

上田哲平(以下、上田)「そうだったね」

黒澤「あれはまさに、最初の問題設定を間違えていないか、という確認でした。答えを出すべき問題を間違えている、あるいは共通認識を持てていないと、それ以降の議論や時間はすべてムダになってしまうので」

和泉「もしかして、黒澤さんは何をするにも目的は何かをとても気にするタイプですか?」

黒澤「まさに。法務部では若手メンバーたちに“目的はなんだっけ星人”になりなさいと指導しています。いつ、どんなときでも目的は何かを確認し、ときに疑う習慣を持ちなさいと」

上田「目的はなんだっけ星人!?面白いですね!(笑)」

黒澤「まったく浸透していませんが……」

 仏頂面の黒澤を見て上田が大笑いします。笑い声が収まると、黒澤は話を続けます。

黒澤「たとえば、逸品工房のお客様のリピート率が低下しているとします。和泉さん、マーケティング部門の人なら普通はどのように考えますか?」

和泉「う~ん……顧客分析をするでしょうか。具体的にどの店舗やどの客層のリピート率が低下しているかを明らかにして、リピート率の回復策を考える」