親子留学を「失敗させる親」と「成功させる親」の決定的な違い…英語力は関係ありません。写真はイメージです Photo:PIXTA

短期留学の成果物は
英語力と言うよりも「点火」

 数週間で英語力は獲得できない。得られるのは、英語も含めた、世界に対する子どもの好奇心に火をつけることだ。英語や異文化との関係を「自分ごと」へ変えることだ。

 例えば、フィリピン、マレーシア、オーストラリアなどと国名を聞いた瞬間に、その国で出会った人々の顔や景色、味や温度がよみがえる。世界には、自分とは違う常識や環境で生きている人がいる。日本で暮らしているだけでは知らないことがたくさんある。

 こうした原体験は、その後の学びや人格形成の豊かな土壌となる。短期留学の成果物は、好奇心の「点火」だ。国内にいては絶対に手に入らない。

 ただし、子どもの好奇心の火は、勝手に点くものでもない。隣で親が本気で燃えていて、初めて燃え移るものだ。

 短期間の親子留学に意味があるかどうかを決めるのは、日数ではない。プログラムの質でさえも決定的な要因ではない。親自身が異文化への挑戦者として、その数週間に臨めるかだ。

 親が困難な状況に直面した時、「日本だったら」と恨めし顔で文句ばかりで終わるか。「どうしたらいいか」と悩み、迷い、挑戦するか。その違いが、子どもの心を左右する。

 親子留学は、数週間で英語は上達しなくてもいい。好奇心に火が付き、帰国後に英語力を伸ばすことができれば、その留学は大成功といえるだろう。

松尾光治プロフィール