写真:改札,駅,通勤,ラッシュ写真はイメージです Photo:PIXTA

国土交通省は7月28日、2025年度の都市鉄道混雑率調査の結果を公表した。東京圏では混雑率が再び上昇し、朝の通勤ラッシュの厳しさが戻りつつある。混雑率ランキング上位には東京の北東部を走る路線が多く並んだ。なぜこの地域に混雑が集中するのか。最新データから、その背景と鉄道利用の変化を読み解く。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

国土交通省が公表した
都市鉄道混雑率調査

 混雑率とは最混雑時間帯1時間の輸送量(輸送人員)を輸送力(定員)で割って算出する、1時間あたりの平均混雑率だ。1時間のうち特に混雑する列車や、ターミナル駅の出口に近い車両など、平均値以上に混雑する場面もあるため、実感とは異なると感じるかもしれないが、ひとつの目安と思ってほしい。

 調査は輸送需要が最も安定する10~11月に実施する。期間中のいつ実施するか、どのように測定するかは、各事業者に委ねられている。測定は主に自動改札機の通過データ、電車の空気ばねにかかる荷重、目視やカメラ映像などから推計する。そのため、異なる事業者間の比較には注意が必要だ。

 東京圏の平均混雑率は前年度比4ポイント増の143%、大阪圏は同1ポイント増の117%、名古屋圏は増減なしの126%だった。2019年度の平均混雑率は東京圏が163%、大阪圏が126%、名古屋圏が132%だったので、コロナ前の混雑にはほど遠い。ただ頭打ちになると考えられていた定期利用は、テレワークの縮小・廃止などで徐々に回復しており、場合によっては戦略の練り直しを迫られるかもしれない。