写真はイメージです Photo:PIXTA
健康保険は、どこに入っていても同じ――そう思っている人は多いだろう。ところが、同じ病気で同じ治療を受けても、加入先によって自己負担額に数万円の差がつくことがある。その差を生むのが、一部の健保組合や共済にある「付加給付」だ。なぜ、同じ医療なのに負担が変わるのか。知られざる健康保険の格差を読み解く。※本稿は、ジャーナリストの西村 章『高額療養費制度』(集英社)の一部を抜粋・編集したものです。
所得が低い人ほど重くなる
社会保険料の不公平な仕組み
「負担が重く感じられる理由は、所得が低い人ほど保険料率が高くなるような仕組みになっているので、それが非常に大きいのではないかと思います」
社会保険料についてまず訊ねると、高久玲音一橋大学教授(編集部注/専門は医療経済学、応用ミクロ計量経済学)からそのような言葉が返ってきた。
だが、社会保険の負担がそれなりに高い金額でも、それをカバーできる十分な収入があり、あるいは支払った保険料に見合う以上の手厚いサービス(給付)を受けることができていると実感しているのなら、ここまでの、「重い、苦しい」という重圧感をおぼえないだろう。
「健康保険料の料率は、高所得の人が多い大企業だと非常に低い場合があるようですが、大企業よりも給与の低いことが多い中小企業の加入する協会けんぽでは10パーセントです(2026年度は34年ぶりに引き下げて9.9パーセントとなる[注1])。そのように、全体として公平性に課題を残す制度であるため、所得の低い方たちはさらに負担を重く感じるのではないでしょうか」
[注1]
社会保障改革の推進について(内閣総理大臣指示)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/jinko_senryaku/contents/20251118/02_ref01.pdf
社会保障改革の推進について(内閣総理大臣指示)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/jinko_senryaku/contents/20251118/02_ref01.pdf







