密を避けるため、テーマパークや動物園、銀行や行政窓口、さらには飲食店にまで予約制が一気に広がった。学校では、運動会や卒業式への保護者参加に事前登録を求めるシステムも定着した。
こうした議論の前提として予約には、サービスの提供側、受ける側の両方に利点がある。来場者数があらかじめわかれば、必要なスタッフを確保し、飲食店なら仕込み量を調整でき、美容院や病院では待ち時間を減らせる。混雑を避けるための手段としても有効だ。
さらに、人手不足が続く現代のサービス業では、予約によって客の流れをならすことが欠かせなくなった。テーマパークや大型施設では、安全管理のためにも来場者数の事前把握が求められる。
一方、事前予約制にはどのようなデメリットがあるだろう。窓口で映画のチケットを買うだけだった段取りが、オンラインでは登録やログイン、認証、決済、QRチケットの受け取りなど、複数の工程へと置き換わる。つまり、利用までの手続きが増えている。また、映画、レストラン、移動手段と、すべての行動が予約を前提として、手続きが必要なものになる。それ自体、どこか不自由さを感じるというのは当たり前の感覚だろう。
Googleカレンダーが広げた
予定のシェア文化
「予約」は英語では「reservation」や「reserve」だが、その語源はラテン語の「保つ(servare)」という言葉に、「後ろへ(re)」という接頭辞がついたものだ。つまり、「後のために取っておく」がそもそもの言葉の意味だ。
この場合、まず浮かぶのは場所の話であるということが察せられる。レストランの座席、劇場のチケット、ホテルの部屋など物理的な空間をあらかじめ客を入れずに、保っておくこと。これが予約の原義なのだろう。予約のもう一方の軸は、時間である。時間の価値が高まっている現代では、予約は、時間を節約するための手段だ。
人々が予約で自分の時間を埋め尽くし始めたのは、インターネットの普及と無縁ではない。







