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映画館や病院、飲食店を利用するにも、人と会うにも、まずは予約や日程調整をする。こうした習慣を窮屈に感じたことはないだろうか。効率よく時間を使えるようにした技術は、社会の仕組みや人間関係をどのように変えたのか。デジタル社会がもたらした「予約社会」の現在地を読み解く。※本稿は、速水健朗『機械ぎらい』(集英社)の一部を抜粋・編集したものです。
映画館から病院まで広がった
「過剰予約社会」の到来
現代は、過剰予約の時代である。あらゆるサービスが、事前のオンラインでの予約を求めるようになっている。
かつて映画を観るときは、日曜の新聞の映画欄で上映館と時間を確認し、当日に現地でチケットを買うのが普通だった。だがいまは全席指定が当たり前で、事前に座席を確保してから映画館へ向かう形式に変わった。当日の窓口購入も一応可能だが、オンラインでの予約が優先されるため、中央付近や通路側といったよい席は早々に埋まってしまう。
こうした、事前に確保しておかないと利用できないサービスは、映画館に限ったものではない。人気のレストランは数週間先まで埋まり、美術館やテーマパークも日時指定が標準となった。
ごく日常的なサービスですら、予約ページで空き枠を探し、時間を押さえてからでなければ利用できない。美容院、レンタカー、スポーツ施設、病院と、ほとんどのサービスが予約前提へと移行しつつある。この流れに決定的な拍車をかけたのが、2020年からの新型コロナウイルス感染症の流行である。







