これは最大値の試算だが、年収200万円の人は医療費の支払い能力に対して自己負担額が69%を占めていた。年収300万円の人は47%で、すでに破滅的医療支出になっていた。それなのに自己負担限度額はさらに引き上げられたのだ。
患者団体の訴えによって年間上限が新設され、26年8月以降は年収約200万円以下の人の1年間の限度額は41万円に引き下げられるが、それでも医療費の支払い能力の50%を占めている。年収300万円の人の支払い能力に占める年間上限の割合は44%で、破滅的医療支出は解消されていない。
病気やケガの療養中は、医療費の負担増だけではなく、収入減少も起こる可能性が高い。公的医療保険は、病気やケガによって貧困に陥ることを防ぐことを目的につくられた制度だ。その制度が新たな貧困を生み出すことはあってはならない。
高額療養費の限度額は法律事項ではないため、政令改正で見直すことができる。限度額の見直しによって受診控えや健康状態の悪化が起きる前に、速やかに低所得層の限度額の引き下げを行うべきだ。








