「老後は退屈になりたくない」「将来のお金もきちんと増やしたい」――そう考えている人は多いだろう。一見まったく別の悩みに思えるが、実はどちらもうまくいかない人には、共通する考え方があるという。では、その特徴とは何なのだろうか。話題の書『人生は気づかぬうちにすぎるから。』から、そのヒントを紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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「余ったらしよう」と考える
「老後になれば、時間に余裕ができる。そうしたら、好きなことを楽しもう」
そう考えている人は少なくない。
旅行に出かける。趣味を始める。会いたい人に会う。
今は仕事や家事で忙しいから、自分の楽しみは時間が余ったときにすればいい。
そうして後回しにしているうちに、何年も同じ毎日を過ごしてしまう。
しかし、時間に余裕ができたからといって、急に人生を楽しめるようになるわけではない。
自分が何をしたいのかわからない。新しいことを始めるのがおっくうになる。
結局、何となく一日を過ごしてしまう。
楽しむことを後回しにする習慣は、老後になっても簡単には変わらないのである。
実は、お金を増やせない人にも、よく似た傾向がある。
毎月の生活費や欲しいものにお金を使い、「余った分を貯蓄しよう」と考える。
しかし、お金はあればあるだけ使い道が生まれるため、月末になってもほとんど残らない。
つまり、両者に共通するのは、自分の楽しみも貯蓄も、余ったらしようと考えていることだ。
時間もお金も、余るのを待っているだけでは、なかなか自分のために使えない。大切なのは、最初から自分の取り分を確保しておくことである。
「ペイ・ユアセルフ・ファースト」を意識する
そのヒントになるのが、次の考え方だ。
パーソナルファイナンスの世界には、「ペイ・ユアセルフ・ファースト(まず自分に払う)」という考え方がある。これは、給料を受け取ったら、自動的に貯蓄口座や退職金口座にお金を振り替えることを指す。誰でも毎月の生活費が必要だが、このような自動的な仕組みをつくっておかないと、貯蓄をするのは難しくなる。
もともと几帳面なタイプの人でも、貯蓄を自動化すれば毎月どれくらいの額を貯金するかで頭を悩ませる必要なく、他のことに気を配る余裕が生まれる。貯蓄にはぴったりの方法だが、これを時間の使い方に応用することはできないだろうか?つまり、「楽しみ」を後回しにせず、優先順位を高くしたら?
お金を貯めるためには、月末に余った分を回すのではなく、給料が入った時点で、先に貯蓄分を取り分けておく。
人生の楽しみも、それと同じである。
仕事や家事をすべて終え、時間が余るのを待っていたら、自分のための時間はいつまでもやってこない。
だからこそ、旅行の予定を先に入れる。
毎週少しでも、趣味に使う時間を確保する。会いたい人には、先に連絡をする。
老後を楽しく過ごせるかどうかは、老後になってから何を始めるかだけで決まるわけではない。
忙しい今から、自分の楽しみを予定に組み込み、実際に行動する習慣をつくっておくことが大切なのだ。
人生を楽しむ時間も、将来のためのお金も、自然に余ることはほとんどない。
どちらも「余ったら」ではなく、最初に自分の取り分として確保しておく。
その習慣が、将来のお金と、退屈しない人生の両方をつくっていくのである。






