1株当たり株価が高い株ほど大きな比重
TOPIXは時価総額によって各銘柄の比重決める

 日経平均株価の指数の仕組みは、必ずしも直感的に理解しやすいものではない。そこで、まず次のような単純な数値例を考えてみよう。

 現実を著しく単純化し、A社とB社の2社だけが存在するとする。株価などが次の通りであると仮定する。

 両社の時価総額は等しい。しかしこの例では、A社の発行済み株式数がB社より少ないため、A社の1株当たりの株価は、B社より高くなっている。このように、1株当たりの株価水準が高い株式は「値がさ株」と呼ばれる。

 いま、A社の株価が1万円から1万1000円に上昇し、B社は1000円のままであるとする。

 この場合、日経平均型の株価平均指数は、上昇前は、

(10000+1000)÷2=5500円

 である。上昇後は、

(11000+1000)÷2=6000円

 となる。したがって、指数の上昇率は、

(6000-5500)÷5500=約9.1%

 である。

 なお、実際の日経平均の計算は、これより複雑だ。各銘柄の株価を株価換算係数によって調整し、その合計を「除数」で割って算出する。銘柄の入れ替えや株式分割などがあっても指数の連続性が保たれるよう、除数も調整される。

 ここでは、両社の株価換算係数をともに1、除数を2と単純化している。

 一方、TOPIXは、市場で実際に流通しやすい株式を基礎とした時価総額によって、各銘柄の比重を決めている。

 ここでは説明を簡単にするため、A社とB社の全株式が浮動株であり、増資や新規上場、銘柄の入れ替えなどもないものと仮定する。

 上の数値例の場合、当初の時価総額はA社が100億円、B社が100億円で、合計200億円である。ここでA社の株価が10%上昇すると、A社の時価総額は110億円となる。他方、B社の時価総額は100億円のままだ。したがって、両社の時価総額の合計は210億円になる。

 この場合、時価総額全体の増加率は、

 (210-200)÷200=5%

 である。

 つまり指数の上昇率は、日経平均型では約9.1%だが、TOPIX型では5%となる。

 このように日経平均型の指数では、株価換算係数によって調整された1株当たり株価が高い銘柄ほど、大きな比重を持つ。

 したがって、少数の値がさ株が大きく上昇すると、他の多くの企業の株価があまり上昇していなくても、日経平均は大きく押し上げられるのだ。