驚きの中国コーヒー事情とは? Photo:PIXTA
米スターバックスが日本事業を売却すると報じられた。スタバといえば中国で地元の競合に追い込まれ、投資ファンドに中国事業の株式の6割を約40億ドル(6000億円強)で売却した。中国在住歴20年超の筆者が、低価格化、多様化する中国のコーヒー事情について解説する。(北京理工大学教師 吉田陽介)
中国人にとってコーヒーは
非日常→身近な飲み物へ
筆者が留学生として中国で暮らし始めた20年以上前、コーヒーというと、ネスレの砂糖とミルクが入ったスティックタイプのインスタントコーヒーにお湯を注いだだけの飲み物だった。値段は3元(当時は約45円)。お茶がこの半額で買えたので、やや「ぼったくり感」があった。
ペットボトルに入った甘いコーヒーは1本5元(当時は約75円)ほどした。他の清涼飲料水が2~3元(当時は約30~45円)だったので、やはり割高感がある。
スターバックスは確か20元(当時は約300円)ほどしたので、マクドナルドで4元(当時は約60円)のコーヒーを飲むことが多かった。日本人におなじみの「ネスカフェゴールドブレンド」もスーパーに売っていたが、高くて1瓶50~60元(当時は約750円~900円)ほどした。中国人にとってコーヒーはまだ「非日常」だった。
しかし今は中国の一般消費者のニーズも高度化し、ブラックコーヒーを普通に飲む人が多くなった。
午後の授業は眠気覚ましのためか、教室にコーヒーを持参する学生も少なくない。「コーヒーは高いでしょう、ぜいたくだね」と話しかけると、「9元(約210元)で買える店がありますよ。高くないと思いますけど」と返されてしまった。
中国カフェ業界ランキング
上位チェーンに行ってみたら…
ようし、それでは最近のコーヒー事情を調べてみようと、まずは校内にできた「庫迪珈琲」に行ってみた。カフェ・ブランドランキング(詳細は後述)にランクインする中国発の大手コーヒーチェーンだ。
店内は日本の喫茶店のような雰囲気ではなく、持ち帰りを前提にしているので座れる席は少なめ。インスタントではなく豆からひいており、コーヒーの香りが漂っている。
アメリカン(日本でいうブレンド、ブラック)を注文した。レギュラーサイズで9.9元(約230円)、ラージサイズは10.9元(約250円)。会員になるとレギュラーサイズが4.9元(約120円)になるという。なるほど、この値段なら学生も気軽に買える。肝心の味は、自分で入れるドリップコーヒーよりも濃く、悪くなかった。
庫迪珈琲の様子 筆者撮影
庫迪珈琲のアメリカンの味は悪くなかった 筆者撮影
中国人にとってコーヒーは、完全に身近な飲み物になっている。調査機関などの報告によると、2025年の中国コーヒー市場は2181億元(約4.7兆円)。総消費量は40万トンを突破し、店舗数は前年同期比25%増の21.5万店に達する見込みだという。
「品牌網」という人気サイトでは、「カフェ(コーヒーショップ)ブランドランキング・トップ10」を毎月更新している。興味深いので紹介しよう。







