
日本ではコメ高騰に庶民が困惑し、備蓄米放出などの緊急政策が行われている。一方、中国では人民の食生活に欠かせない豚肉の価格動向を注視し、高騰したら在庫を放出して価格の安定を保つこともある。今回は北京市内の3つのスーパーと、アリババ傘下のネットスーパー「フーマーフレッシュ」で野菜と果物の価格を調べたところ、意外な結果が分かった。(北京理工大学教師 吉田陽介)
北京のスーパーで値段調査!
キュウリの価格差は3.5倍
筆者が北京での生活を始めた20数年前は、買い物や外食する時、日本よりも安いと感じた。例えば、留学先の大学の食堂は1日3食でも20元(当時の為替で約300円、1元=約15円)以内に収めることができたし、マクドナルドのコーヒーは4元(同60円)ほどだった。
だが今は、北京で買い物するたびに、「たいしたものも買っていないのに、お金が飛んでしまうなあ」と思う。マクドナルドのコーヒーは11元(現在の為替で約218円、1元=約19.8円)ほど、大学の食堂も1食で少なくとも10元(同198円)はかかる。「古きよき中国」を知る人間からすると、高いなと思う。
今はスーパーで買い物をすると、パン、ヨーグルト、野菜を少し買っただけで、100元近く(同2000円)する。よく考えて買わないと、すぐに予算オーバーになってしまう。みんなどうやって生活しているのかと買い物をするたびに思う。
そこで実際に北京市内のスーパーマーケットを何軒か訪れ、野菜や果物の価格調査をしてみた。
北京市内のスーパーでは、野菜は量り売りのものと、パック詰めのものに分かれている。まず、1999年創業の有名スーパー「超市発」に行ってみた。