プロクター&ギャンブルやゼネラル・エレクトリックといった外資系企業では、少なからず新卒からエリート採用を実施しています。幹部候補を効率的に育成できるうえ、採用時点でも優秀な人材を引きつけるのに十分な効果があると思われます。
知られた話ですが、プロクター&ギャンブル(P&G)やゼネラル・エレクトリック(GE)では、新卒学生の「エリート採用」を実施しています。超難関ですが、入社直後から幹部候補として育成されるわけです。当然ながら、採用時点から優秀な人材を引きつけるのに十分な効果があります。
日本企業にも「超エリートコース」が必要なのではないか−−−−。
私は常々、そう感じます。もちろん、日本企業も“暗黙の了解”的なエリートコースは各社に存在するでしょう。30歳過ぎぐらいから、営業などの現場だけでなく、経営企画や人事といった管理畑を行き来するなど、「あいつはコースに乗った」というのが見えてきます。
しかし、そんな風に一律に採用した人材のうち一握りが入社数年後に選ばれる、という悠長な話でなく、採用時から超エリートコースがあることを宣言するのです。そして、職種別採用を前提として、その人の専門性を最初から活かしつつ、全世界の事業を見渡し、早いうちから部下も持てるようにする。もちろん結果は厳しく問うのですが、入社後数年も待たずにどんどんチャレンジしたいという人材に活躍する場を提供することができます。
この連載で以前、新卒と第2新卒のみを対象にグローバルな評価基準など世界均一の人事制度を導入するよう提唱しましたが、このエリートコースもアイデアとしては似たところがあります。要は、部分的に変えられるところからグローバル・スタンダード化する、というのが狙いです。すべてを変革すると抵抗も大きく負担が大きいため、頓挫しかねませんが、若手から導入することで少しずつでも確実に組織を活性化できるのです。