そうすれば、日本企業に定着しにくい優秀な外国人学生が嘆く「評価が曖昧で説明もない」という不満にも応えられますし、若いうちから専門性を磨き自分を鍛えたいと外資系企業に流れてしまう優秀な日本人学生を惹きつけることにもつながるでしょう。
目下、日本企業の多くは、本社(=ヘッド・クォーター)を日本におき、そこが予算管理や経営企画といった重要な機能をすべて握っています。この体制は、各拠点が個別に判断し動く機動性に欠けますが、いい点もあります。先に挙げたエリート・プログラムは、中央集権体制のほうが効果的に実施しやすいからです。
中央集権といえば、本社が旗を振り、全社的に英語公用語化を掲げる企業が多くなってきています。全社員の意識を変えて底上げを図るには、そのぐらい思い切ってやらなければならないでしょうが、一方で、非効率が生じるのも事実です。たとえば、国内営業しかやらない部署で慣れない英語を強要しても、客先も日本語を話すのですから、さほど意味があるとは思えません。
ですから、英語は局所的に導入すればいい、と私は考えています。経営企画や経営管理、海外マーケティング、グローバル人事部など、グローバルで仕事をする人は、世界のトップ学生を含めて英語を使えばいい。そこで活躍したい日本人社員は、頑張って英語を上達させればいいだけの話です。
日本企業が世界で戦っていくために、真のグローバル化を図ることは不可欠です。その要が人材だと思うのですが、それにはまず既存の組織、制度を部分的にでも確実にグローバル仕様に変えていかねばなりません。我が社フォースバレー・コンシェルジュでは日本企業のさらなる飛躍を信じ、その支援をこれまで以上に強力に展開していきます。
次回は、古巣ソニーのトップだった出井伸之氏(現クオンタムリープ代表取締役ファウンダー&CEO)の胸を借りて伺った、私の問題意識や組織の改革案に関する意見を紹介します。変革のキーは「個人」にありそうです。
(次回は8/9公開です)