
恋と仕事と家族、悩みは尽きない
りんは家に戻って、小川と会ったことを話す。
「直美さんをあんなに優しい顔にするなんて、それこそ魔法だよ」
それでもなぜか消極的な直美。一ノ瀬家が好きで離れたくないのだ。
「怖いだけなんじゃない。うちから離れるのが」とりん。
やっと見つけた家と家族だから「私はもうこれでいいの。これ以上は罰が当たる」以前とうって変わって謙虚な直美にりんは言う。
「お嫁に行ったって家族なのは変わらないよ」
おお、目からうろこなお言葉。お嫁にいってからの実家との関わり。離れてみてはじめてわかる家族の絆。つまり、直美は結婚して一ノ瀬家を離れることで、かえって一ノ瀬家との真に深い関係性を得ることができるということだ。ある種の通過儀礼のようなものといえるだろう。
でも直美はそれで納得はしない。「りんはどうなのよ」とりんに矛先を変える。
確かにりんもシマケンとの関係を曖昧にしているのはなぜなのか。
りんの場合は以前からずっと言葉にしている「自分の力で」幸せになりたいという考えだ。それと、やっぱり連れ子がいることと、母も最近衰えてきているからひとりにしておけないことが気になるのだろう。美津(水野美紀)は介護状態ではないが、子育てに加えて親の衰えも気にかかるという状況は現代のダブルケアと同じで、そうなるとなかなか身動きがとれなくなる。
そのうえ、りんも直美も、派出看護を軌道に乗せたばかり。そっちを頑張りたい思いもあるわけで。
「私たち、もしかして無理してるのかな?」恋と仕事と家族に悩む、りんと直美。
でも、何もないより、それだけ選択肢があるいまのふたりはとても充実して見える。とりわけ直美は最近、表情がずいぶん柔らかくなった。







