会計検査院は卸売価格と
小売価格の差に注目した

 ガソリン補助金事業によって、どの程度の価格抑制効果があったのだろうか。

 図表4-8は、ガソリン補助金事業のために基金として交付された金額とガソリン価格の抑制額を比較したものだ。これは財務省による試算と同じ方法である。すると、補助金よりも抑制額の方が204億円下回っていた。

図表4-8 2022年2月から2023年3月までの補助金交付額とガソリン価格の抑制額との比較同書より転載 拡大画像表示

 ちなみに、財務省の試算対象期間(5カ月間)よりも、図表4-8の方が13カ月間と長いので単純に比較することはできない。

 そこで、会計検査院は卸売価格と小売価格の差に注目した。なぜならば、補助金が卸売業者の価格に反映されていることを把握していたからだ。

 そうであれば、卸売価格と小売価格を比べることで、小売価格に対するガソリンスタンドの対応状況が見えてくるのではないかと考えたのだ。

 図表4-9は、事業開始前後の卸売価格と小売価格の価格差を示したものだ。

図表4-9 ガソリン補助金開始前後の卸売価格と小売価格の開差の状況同書より転載 拡大画像表示

 真ん中の「変化なし」は、補助金開始後も卸売価格と小売価格の間の差に変化がないことを示す。左側の「縮小」は価格差が縮小されたことを示している。