「今日は定時で帰れると思っていたのに、気づけばもう19時」「夕方になって、まだこんなに仕事が残っていたことに気づいた」。そんな「うっかり残業」を繰り返していないでしょうか。毎日のように「なぜか終わらなかった」が起きているなら、別のところに原因があるかもしれません。書籍『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか? 仕事が3倍速くなる計画・実行・中断の技術』から、その本当の理由に迫ります。

仕事ができる人は「うっかり残業」しない。知っておきたい「ダンドリのコツ」Photo: Adobe Stock

「時間を空けた」だけでは計画にならない

「今日は午後いっぱい空いているから、この仕事を終わらせよう」。これで計画を立てたつもりになっていないでしょうか。

しかし、「午後に4時間空いていること」と、「その仕事が4時間で終わること」は当然、まったく別の話です。必要な作業量が6時間だとしたら、4時間(体感では「いっぱい」)あったとしても、2時間分の作業が残ります。

それなのに、「これだけ時間があるから大丈夫」と仕事を始め、17時になってから「まだ終わらない」と気づく。これが「うっかり残業」の正体です。

頭の中で一度、仕事を終わらせる

書籍『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか?』には、こんな言葉があります。

「頭の中でうまくいかなかったこと」が、現実の世界でうまくいくことはありません。

仕事が予定どおり終わるかどうかを確かめる方法が、「脳内リハーサル」です。

難しく全体像を俯瞰したり、ゴールから逆算したりする必要はありません。「最初に資料を確認する→必要なデータを集める→グラフを作る→文章を書く→最後に確認する」と、前からステップ・バイ・ステップで仕事を進めてみます。すると、「このデータは先に依頼しておかないといけない」「ここで上司の確認が必要だ」「この工程だけで1時間はかかる」と、実際に作業する前に気づけます。

頭の中ですら定時までにゴールへたどり着けないのであれば、現実でも定時までに終わる可能性は低いのです。

夕方に気づくのでは、もう遅い

計画が甘い人は、仕事をしながら必要な作業を発見していきます。15時になって「このデータも必要だった」、16時になって「上司の確認が必要だった」、17時になって「修正にも1時間かかる」と気づく。こうなると、その時点から残業を避けるのは難しくなります。

一方、脳内リハーサルをしておけば、同じ問題に朝の段階で気づけます。「このままでは19時になる」と事前にわかれば、優先順位を変える、別日に回す、誰かに依頼するなどの調整ができます。

大切なのは、時間をたくさん確保することではありません。その時間で本当に仕事が終わるのかを、手を動かす前に確認することなのです。

ダンドリがいい人は、残業を「事前に発見」する

どれだけ計画しても、突発的な仕事や予想外のトラブルは起こります。しかし、最初から8時間かかる仕事を6時間で終わるつもりで始めることと、6時間で終わる計画に想定外の2時間が加わることは違います。

仕事ができる人は、残業が絶対にない人ではありません。「この仕事量なら定時には終わらない」という事実を、夕方ではなく仕事を始める前に発見できる人です。

「うっかり残業」を防ぐポイントは、「このまま進めたら何時に終わるのか」を、まだ手を打てる段階で知っておくことなのです。