制度は三層に分かれる。

 第一層は、政府が示す「17の国家的投資テーマ」である。政府は各分野について、市場規模、技術目標、規制改革、政府調達、研究開発支援、インフラ整備、輸出戦略を明確にする。

 第二層は、民間が選ぶ「企業候補群」である。証券取引所、指数会社、運用会社、アナリスト、技術者などが、各分野に関連する企業を評価する。

 第三層が、将来的に投資対象となり得る「J-Tech 17指数・ETF・投資信託」である。指数には17社だけを入れるのではなく、各分野から複数の上場企業を採用し、全体で50~100社程度に分散させる。

 日本取引所グループにはすでに、既存の業種区分をまとめた「TOPIX-17シリーズ」がある。しかし、J-Tech 17は業種別指数ではない。政府の戦略17分野を横断し、将来の成長市場を投資テーマとして捉えることを狙った、まったく別の考え方である。

「半導体企業」「通信企業」「建設企業」といった従来の分類では、AIロボット、量子通信、無人航空機、フュージョン、海洋ドローンのような産業横断型の成長領域を十分に表現できない。J-Tech 17は、その壁を越えるための仕組みである。

関連企業をどう見つけるか

 投資テーマを実体のあるものにするには、そこにどのような企業が関わっているのかを示す必要がある。

 あくまで一例だが、AI・半導体分野であれば、東京エレクトロン、アドバンテスト、ルネサスエレクトロニクス、ファナック、安川電機などが挙げられる。ラピダスのような未上場企業も、将来の重要企業として情報発信の対象になり得る。

 防衛、航空・宇宙、海洋、造船では、三菱重工業、川崎重工業、IHI、三菱電機、SUBARU、三井E&S、名村造船所、三井海洋開発などが関連企業の例となる。今治造船、ジャパンマリンユナイテッド、常石造船、宇宙分野のスタートアップなど、未上場企業も成長企業群として可視化する余地がある。

 ただし、これらはあくまで政府の17戦略分野との関連性を考えるための例であり、個別企業への投資を推奨するものではない。

 世界のAI投資が拡大すれば、日本の半導体製造装置、材料、空調、電力、通信などにも需要が波及する可能性がある。防衛予算が増えれば重工、電子、素材へ、データセンターが増えれば電力、建設、冷却設備へと需要が広がる可能性もある。

 こうした産業間のつながりを企業レベルまで落とし込めば、日本の成長戦略がどのような企業活動につながるのかを、投資家が具体的に考えやすくなる。