6月30日の日本成長戦略会議で発言する高市早苗首相6月30日の日本成長戦略会議で発言する高市早苗首相 Photo:SANKEI

17分野の選択や投資規模に疑問
毎年度20兆円を超える投資ができるか

「強い経済」実現を掲げる高市早苗首相肝いりの成長戦略、「370兆円の官民投資」が、骨太方針2026年の目玉として閣議決定された。

 骨太では、AI・半導体や防衛、防災・国土強靭化、造船、重要鉱物など17分野にわたる成長分野が列挙され、官民でこれらの分野への投資を2040年度まで累計370兆円規模で行い、イノベーションを進めようという計画だ。

 だが、17分野が選ばれた経緯や理由はよくわからないし、対象の中には成長にどこまでつながるのか、が見えないものもある。

 投資規模についても、物価上昇分を勘案しても毎年22.8兆円、年平均で12%ずつ投資を増やしていく必要がある。そんなことができるのかどうか。

 仮にできたとしても、むしろインフレや金利上昇を加速し、成長にはマイナス効果となりかねない。

 もともと人口が減少するという供給力の制約がある中で、技術革新だけで潜在成長率を高めるのは至難のことだ。

 高市政権は潜在成長率の低迷は投資が不足しているとして、財政支出を民間投資の呼び水にし、2030年代後半には潜在成長率が1.8%に高まる姿を描くが、こうした取り組みは歴代政権でもずっと未達を繰り返してきた。

 そもそも背景には、日本には、世界の技術進歩をけん引する米国や中国と比べて、根本的に欠けている問題がある。

 高市成長戦略は、結局は「画餅」で終わる可能性が懸念される。