【視点1】
親の蓄えはどれくらいあるのか?
私の場合、親の老後生活に寄り添うようになって15年近くになりますので、それなりに家族間の情報は共有できています。ざっくり言えば、万が一の場合、有料老人ホームの入居時一時金がそのレベルならば親の預金から取り崩せますが、毎月の入居費については親の預金は早々に底をつきそうです。年金を差し引いて一定額は私たち息子家族が負担することになるかなと考えています。
読者のみなさんの状況はおそらくまちまちではないでしょうか。私の場合、幸いにして親との関係性がよいためこういった細かいところまで情報を共有させてもらっていますが、そもそも親がいくら持っているのかをきちんと把握できているケースの方が少ないのではないでしょうか。
私の場合、さらにもう一つ問題があります。仮に老人ホームを選ぶ理由が認知症になった場合です。進行度合いによっては親の銀行預金がおろせなくなる可能性が出てきます。本人の意思がなければ動かすことは難しくなるのです。
「だったら1000万円、タンス預金にすればいいじゃないか」という方もいらっしゃるかもしれませんね。今流行のトクリュウ型の強盗などが恐ろしいので、うちはその選択はしていません。
振り込め詐欺も日常的に危険があるので、親の口座は月額の引き落としができる金額は生活費の範囲内で設定しています。こういった生活防衛をしている前提で、ある日突然その日がやってくると、親の預金があってもそれを親の老後に使えなくなる危険性は存在しています。
「そのために後見人制度があるのでは」という意見もあるでしょう。しかし弁護士など資格のある方にすべて口座を管理されるうえに、老後の蓄えの中から月額数万円の費用が引かれてしまうというのは、私はあまりよい制度だとは思えません。
ようするに十分な蓄えがあってもなくても、親の老後資産を子どもが親の老後のあてにするのには、制約があるということです。







