戦死した夫が遺した軍服の「第2ボタン」…何度も取れていた理由が切なすぎる〈風、薫る第110回〉

なぜ第2ボタン?

 吾郎の軍服のボタンがすぐにとれてしまう謎もあって、個性あるエピソードだった。

 直美が美津(水野美紀)に裁縫を習って、次第にボタン付けがうまくなっていく。彼女の負けん気や健気さもよく現れていた。ぶっきらぼうな態度をとっても、好きな人にはデレやすい。そんな直美が魅力的に見えた。あと、なんといっても、赤ちゃんがかわいい。直美がボタン付けから戻ってきて、明を抱きしめる画もとても良かった。

 第2ボタンといえば、学生時代、卒業式に好きな人の第2ボタンをもらうムーブがあった(いまもある?)。

 なぜ、第2ボタンなのか。

 カンコー学生服のサイト(*)によると、心臓に近いところにあるボタンだから、最も大事なものだとか、心そのものだとか、いろいろなこじつけがあるようだ。

 この学生時代の甘酸っぱい風習は、戦争映画『予科練物語 紺碧の空遠く』(1960年)がきっかけになったという説もあるらしい。出征のとき第2ボタンをとって渡すシーンがあり、それに当時の日本人が影響されているとか。

 同サイトには“1番上のボタンをとるとだらしなくなり叱られるけれど、第二ボタンだとわかりにくいので2番目のボタンが選ばれたと言われています”とある。

 筆者はこの映画を見たことがない。機会があったら見てみたいと思う。何にしても戦争を知らない子どもたちのたわいない慣習が、戦争映画に基づいていたと思うと、じつに切ない。

 これで、原案の『明治のナイチンゲール 大関和物語』に書かれた「二人のシングルマザーの物語」になったわけだが、次週予告を見て驚いた。シマケン(佐野晶哉)が早くも再登場するうえ、中村倫也(柳生藤次役)も再登場。寛太(藤原季節)まで!……涙を返して。

(*)カンコー学生服 「卒業式に学生服の第二ボタンを贈るのはなぜ?」
https://kanko-gakuseifuku.co.jp/media/parents/1498
戦死した夫が遺した軍服の「第2ボタン」…何度も取れていた理由が切なすぎる〈風、薫る第110回〉