―― 一方で、先ほどのNISA貧乏の話に戻るのですが、食費まで削って積み立てを優先する人もいるわけです。
極端なことを言えば、食費を削って健康を悪化させながらNISAを続けるなんて、「何をやっているんだ」という話ですよ。
生活や健康を維持するために必要なお金まで、無理に投資へ回すことを勧めているわけではありません。自分にとって限界だと思えば、積立額を減らしたり、いったんやめたりすればいい。
――では、「無理のない範囲」はどう判断すればいいのでしょうか。
それは、自分自身で考えて判断するべきです。
食べるものまで削ってNISAで投資をするのは、普通に考えればおかしいですよね。それに対して僕が、「きちんと食事を取ったうえでNISAをしてください」などと注意しなければならないとすると、社会全体の判断力が少し落ちているようにも感じます。
収入や生活費、健康状態は人によって違います。どこまでなら長く続けられるのかを考え、自分で積立額を調整する。その判断も含めて、自己責任で取り組むことが大切です。
――「自分はNISA貧乏だ」と感じている人に、何を伝えたいですか。
将来に備えるという考え方自体は、決して間違っていません。積み立てを始めて、以前より自由に使えるお金が減った。それだけで「失敗している」と過度に不安になる必要はないと思います。
ただし、資産形成は長く続けるものです。現在の生活や健康を守りながら、自分に合った金額を考える。「NISA貧乏」という言葉に振り回されず、必要に応じて積立額を調整することが大切です。
『杉村太蔵の推し株「骨太」投資術』(杉村太蔵、文藝春秋)







