テストステロンの値が高いほど
早口になる傾向

 するとテストステロンの値が高い人ほど、速く話す傾向が見られました。これは、男性でも、女性でもそうでした。
 
 というわけで、もし目の前の人物が早口であれば、自信や積極性が高く、集団内で一目置かれる存在になる可能性があるわけです。

 早口かどうか以外にも、何か判断の基準になるような特徴は他にもないのでしょうか。実はあるのです。

声の高さを下げた人ほど
集団内での地位が高いと評価

 実は、集団内での影響力の印象と関係していたのが、会話中の声の高さの変化です。

 イリノイ大学のジョーイ・チェンは、集団内で「誰がリーダーシップを握るのか(社会的地位を得るのか)」、「どのような話し合いがグループの意思決定の質を高めるのか」を調べるため、191名の大学生を4人から7人のグループにわけ、「月で生き残るために必要な15のアイテムについてランクづけをする」という話し合いを20分間やってもらいました。話し合いはすべてビデオ録画されていました。

 話し合いが終了したところで、それぞれのメンバーについての評価をしてもらいました。

 すると会話中に声の高さを下げた人ほど、他の参加者から支配的で影響力があり、集団内での地位が高いと評価される傾向が見られました。反対に、会話中に声の高さを上げた人ほど、その後、集団内で低い地位になる傾向も見られました。

 会話の中で声の高さを少し下げると、存在感が増して、影響力がある印象につながるわけですね。

 英国のマーガレット・サッチャー元首相は、声が高くて、興奮すると甲高く聞こえてしまうということで、徹底的にボイストレーニングを受けて甲高い声でなく低く落ち着いた声で話すことができるようになったといいます。

 もしみなさんが普段から高めの声で話していて、それが気になるのであれば、ボイストレーニングを受けてみるのもよいですね。今よりも低く落ち着いた話し方を身につければ、力強さや重厚感が増して、周囲の人たちからの評価もグンとよくなるかもしれませんよ。

(参考文献)
Dabbs, J. M. Jr., Bernieri, F. J., Strong, R. K., Campo, R., & Milun, R. (2001). Going on stage: Testosterone in greetings and meetings. Journal of Research in Personality, 35, 27–40.
Cheng, J. T., Tracy, J. L., Ho, S., & Henrich, J. (2016). Listen, follow me: Dynamic vocal signals of dominance predict emergent social rank in humans. Journal of Experimental Psychology: General, 145, 536–547.

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