ビジネスの世界では「話し方」一つで大成功を手にすることもあれば、大損失を被ることもあります。ただし、口がうまいからと言って仕事ができるわけではなく、むしろ口下手の方が結果を出すケースも少なくありません。ビジネスで求められる実践的「話し方」とは?この特集ではあなたの「話し方」を劇的にアップデートする書籍を厳選しました。今回は『「話し方」に自信がもてる 1分間声トレ』から、自分の声が劇的に改善する1分間トレーニングをお届けします。(ダイヤモンド編集部編集長 山口圭介)
録音された自分の声が
ショボくて愕然とする
ZoomやTeamsなどでの会議が日常になったことで、Zoomでのプレゼンが録音・録画され、あとで編集部内に共有されることが増えてきました。そして、共有された自分の容姿と声があまりにショボく、愕然とする機会もまた増えてきました。悲しい話です。
容姿についてはいまさらどうしようもありませんが、声は改善することができると聞いて小躍りしました。参考になるのが、『「話し方」に自信がもてる 1分間声トレ』です。
著者の秋竹朋子さんは本書で、「みなさんは自分の声を録音して聞いてみたことがありますか?何らかの形で聞いたことがあるという人が多いと思います。そして、『なんだか変な声だな』と感じたのではないでしょうか」と問いかけます。そう!そうなんです!なんだかとてもショボく感じるのです。
「録音した声は外から耳に入ってくるのに対して、自分の発する声は、体内で頭蓋骨などを振動させながら耳に届くからです。空気を振動させて外部から耳に届く声と、骨伝導で耳に届く声では音が違うために、自分の声に違和感を覚えてしまうわけです。普段自分が聞いている自分自身の声と、他人が聞いている自分の声(録音して聞いた声)は、まるで違うということを、まず知ることが大切です」と秋竹氏。違和感を覚えているのが私だけではないと分かり、少しホッとしました。
では、どうしたらよいのでしょうか。
「多くの人は、『自分に聞こえている声』と『他人が聞いている声』にかなりのギャップがあることに気づいていません。大切なのは、『他人が聞いている声』を知り、悪いクセを直すことです。そのためには、自分の声を録音して確かめてみる必要があります。『自分の声を聞きたくない』という人もいると思います。でも、録音した声が、あなたの本当の声です。この事実を受け止めなければ、いい声になることはできません。特に『普段からよく聞き返される』『声が通らない』という人は、発声に何らかの問題があります。一度録音して、どこに問題があるのか考えてください」(秋竹氏)
その上で秋竹氏は録音する内容として、「自己紹介」「今日1日の出来事」「自分の故郷の紹介」などを挙げています。確かにこれなら1分程度話すだけなので、気軽にできます。自分の声を他人が聞いたら客観的にどういう印象を受けるか、聞き取りにくい部分はないか、早口すぎないか、語尾を伸ばすなどの変なクセがないかをチェックしていけば、嫌いだった「自分の声」が改善していくのを実感できるはずです。
『「話し方」に自信がもてる 1分間声トレ』では他にも、「注意しても絶対に嫌われない声と話し方」「信頼感と説得力が加わる話し方」「好印象・心地よく聞こえる方法」「伝わる声と話し方」などについて、シチュエーション別に徹底解説しています。
声の改善で仕事の成果が変わった人たち/はじめに/目次/序章 「声」は最強のビジネススキル
第1章 仕事で使える声を手に入れる「1分間声トレ」
第2章 ビジネスの現場で役立つ「言葉」と「話し方」
第3章 シチュエーションごとに、声を使い分ける
終章 「声」というスキルで人生が変わる/おわりに
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