やっぱり結婚は
ないほうが良い
以上を踏まえて、私の結論を述べる。結婚はないほうが良い。少なくとも、現在の日本においては。
これは反出生主義者としての立場からの発言でもある。子どもを作ることが倫理的に問題含みであるとすれば、結婚という制度にも疑問符がつく。日本において結婚は、子どもを作ることと強く結びついている。結婚したら「子どもは?」と聞かれることは多いし、子どものいない夫婦は「子なし」と呼ばれる。結婚と出産を切り離して考えることが、この社会では難しい。
もちろん、結婚しても子どもを作らない選択はできる。事実婚という選択肢もある。法律婚をせずに、パートナーとして一緒に暮らす。住民票に「夫(未届)」「妻(未届)」と記載すれば、社会保障上の配偶者として扱われる場合もある。海外で別姓のまま法律婚をして、日本では婚姻届を出さないカップルもいる。サイボウズの青野慶久社長や映画監督の想田和弘氏は、選択的夫婦別姓を求める訴訟の原告になっている。さまざまな工夫をしている人たちがいる。
しかし、なぜ工夫しなければならないのか。なぜ当たり前の権利を得るために、回り道をしなければならないのか。なぜ訴訟まで起こさなければならないのか。選択的夫婦別姓が認められれば、姓を変えたくない人も法律婚ができる。家事・育児の負担が平等になれば、結婚が女性にとって不利な契約ではなくなる。制度が変われば、「結婚はないほうが良い」という私の結論も変わるだろう。
問題は、制度が変わらないことだ。選択的夫婦別姓の法案は四半世紀以上も棚上げされている。法制審議会が答申してから、もう30年経つ。国連から何度勧告されても、日本政府は動かない。2024年の衆議院選挙では選択的夫婦別姓が争点の一つになったが、与党内には依然として反対派が多い。この国のミソジニー(女性嫌悪)は、制度の中に深く埋め込まれている。







