そんなときにおすすめしたいのが、1日1枚、写真を撮る習慣です。
写真といっても、特別な1枚を撮る必要はありません。きれいな景色や有名な場所でなくてもかまいません。通勤途中に見た青空、湯気の立つコーヒー、昼食の一皿、道端に咲いていた花、街灯、猫。自分がその日に「少し気になったもの」を1枚だけ撮ればいいのです。
写真に収めることによって、「今日は何を見たか」「何に心が動いたか」に意識を向けることができます。
人は忙しいとき、やらなければならないことに意識を奪われています。次の会議、締め切り、メールの返信、家の用事。頭の中は常に先の予定でいっぱいになり、「今、この瞬間」にあるものを見落としやすくなります。
そこで、写真を必ず1枚撮ろうと決めることで、少しだけ周りに注意を向けようという気になれます。空の色の青さに気づく。光の差し込み方に気づく。いつも通る道に、初めて見る看板を見つける。食事のメニューの彩りを意識する。ほんの数秒でも、意識を「今」に戻せるのです。
この「今に戻る」感覚が、自律神経を整えるうえで大切です。焦っているとき、不安が大きいとき、気持ちが落ち込んでいるとき、人の意識は過去や未来へ飛びがちです。あのとき失敗した。明日もうまくいかなかったらどうしよう。そんな思考に引っ張られる、心も体も落ち着かない日々を過ごすことになります。
どんな日でも
「小さな幸せ」がある
写真は、日々の小さな記録としても大切です。
『メンタルは肉体が9割』(小林弘幸 宝島社)
「今日も大変だった」「何もできなかった」と感じる日でも、撮っておいた写真を見返すと、1日の中で「いいこと」があったことに気づきます。朝の空がきれいだった。昼食のスープがおいしかった。帰り道に遠回りしたら、気になるカフェを見つけた。そうした小さな記録が、自分の毎日を肯定してくれるのです。
私は、そんな写真をSNSに投稿していますが、誰かに見せたいわけではなく、自分の記録のためだけにやっています。誰かに見せることを意識しすぎると、今度は「いい写真を撮らなければ」というプレッシャーが生まれてしまいます。
人に評価されるためではなく、自分のために撮る。きれいに撮れなくても、ぶれていても、その日の自分が何に心を動かされたか記録に残っていれば十分なのです。







