そもそも「同じ安いファミレス」ではない

 では、なぜガストはサイゼリヤのように「安さ」を守り続けなかったのか。ここで重要になるのが、そもそものビジネスモデルの違いである。

「サイゼリヤはイタリアンに絞り込んでいます。一方、ガストは定食や丼といった和食からハンバーグやパスタといった洋食もある。幅広い需要に応えることをウリにしています」

「サイゼリヤは、無駄を省き、効率化を徹底することで安さを実現してきました。一方のガストは、さまざまなお客さんのニーズに応えることが前提にあります。当然、コストが上がったときにサイゼリヤと同じように低価格を維持するのは難しいわけです」

「絶好調のサイゼリヤ」と「苦戦のガスト」の決定的な違いサイゼリヤの半熟卵のミラノ風ドリア Photo:PIXTA
「絶好調のサイゼリヤ」と「苦戦のガスト」の決定的な違いサイゼリヤの小エビのサラダ Photo:PIXTA
「絶好調のサイゼリヤ」と「苦戦のガスト」の決定的な違いサイゼリヤのプリンとティラミスクラシコの盛合せ Photo:PIXTA

 ガストが多様なメニューを維持して幅広い需要に応えることを使命としているため、値上げも仕方ないというわけか。同じ「安いファミレス」に見えても、その安さを実現する仕組みは異なっていた。