意味や想いが込められた名前は、働く人の誇りや尊厳につながります。一方、機能だけを説明するような名前は、あまりモチベーションにつながらないこともあります。
マネジャー自身が恥ずかしがらずに、想いを込めて名前をつけて、それを自分たちで語り続けることで誇りにつなげていくことが変化の方向性を固めていきます。
役割名を変えることで
仕事の意味合いも変わっていく
役割名のつけ方について触れましたが、企業での実例も見ておきましょう。名称を変更したことで印象が変わった例として、次のようなものが思い浮かびます。
(1)テレアポ/営業アシスタント→インサイドセールス
(2)コールセンター→カスタマーロイヤリティチーム
「元はどのような名称で、社内でどのような位置づけだったのか」「どういう役割にしたくて、どういう願いで名称が変わったのか」「役割を変えたあと、評価指標や社内での認知はどう変わったのか」を自分で説明できるのかを考えながら読んでみていただきたいと思います。
まず1つ目の「インサイドセールス」という名称についてです。2000年代後半~2010年代初期、アメリカのSaaS企業が営業の役割を再定義しました。セールスフォース社やマルケト社などが先駆けとなった新しいモデルです。
2000年代の間に、顧客の購買行動がデジタル化し、顧客側の情報収集はWebやメール・セミナーが中心になりました。すべての顧客に営業が訪問するのは非効率になり、その代わりマーケティングで集めたリードを育て、見込み顧客を創出する専門職が必要となってきたのです。
これが「インサイドセールス=会社内にいながら商談をつくる営業」の始まりでした。ここで重要なのは、単に「電話営業」ではなく、「顧客との関係を育てる戦略的なポジション」として役割が再定義されたことです。それに伴って、社内での立場だけでなく、評価指標や求められるスキルも変わりました。
つまり、「役割名の変更」が単なる見た目の変更ではなく、「営業プロセスの再構築」と「職能の再定義」を象徴するスイッチだったのです。







