フェラーリ・849テスタロッサ・スパイダー 価格:8DCT 7027万円(クーペ〈ベルリネッタ〉6465万円) Photo:Ferrari
栄光の名称「テスタロッサ」を名乗る849テスタロッサ・スパイダーは、マラネッロの歴史を象徴する最新フラッグシップオープン。1956年誕生のレーシングスポーツ500TRの70周年を祝うメモリアルモデルであり、従来のSF90の後継となるフェラーリ・パイロットカーの頂点に位置する。ルーフは開閉時間わずか14秒のRHT構造。オープン時は風とサウンドがキャビンに届く。もちろんパフォーマンスは超一級。V8ツインターボと3モーターで構成するPHEVシステムは総合パワー1050psを誇り、トップスピードは330km/hに達する。849テスタロッサ・スパイダーは、まさにドライバーに“特別な時間”を約束する究極の跳ね馬。大西洋に浮かぶスペイン領テネリフェ島で魅力を体感した。
なぜテスト車がシルバーなのか?歴史的な意味があった
証言/西川 淳
ところはヴィラデステ。5月に開催されたコンクール・デレガンスにひときわ衆目を集めたシルバーのスパイダーがあった。テスタロッサ・スパイダーである。ただし、その形は1980年代のそれ。ボディサイドにフィンの入ったタイプだった。マラネッロが特別にフィアットの創業家当主で影のオーナーだったジャンニ・アニエッリのためにオープンモデルに仕立てた、世界に1台の個体である。
7月初め。スペイン領カナリア諸島テネリフェ島で開かれた最新の849テスタロッサ・スパイダーもまた試乗車すべてがシルバーに塗られていた。もちろん担当者が歴史的背景を盛り込んでコンフィグレーションしたのだ。
849テスタロッサはSF90、つまりマラネッロのポートフォリオにおける最右翼=パイロットモデルの頂点に立つ量産シリーズの後継として2025年9月に登場した。クーペとスパイダーが同時にデビューしたのだが、生産の立ち上がりに時差があったため、スパイダーモデルのテストがクーペに遅れること半年後のいまになった。
フロント2+リア1の電気モーターをV8ツインターボエンジンと組み合わせて総合システム出力1050psを誇る。スーパーカーというより、もはやハイパーカーの領域である。お値段もスパイダーで7000万円を超えてきた(それでも日本市場が最も安い)。
SF90のスタイルが、どちらかというとそれまでのマラネッロ製ミッドシップモデルの延長線上にあったのに対して、849テスタロッサは完全に新しい。乱暴にいってしまえば最新フラッグシップのドーディチ・チリンドリと最新スーパーカーのF80を組み合わせたような造形である。赤や黄色も似合うが、シルバーのようにラインとコントラストが引き立つ色の方がしっくりくるかもしれない。








