「自分には、人に誇れるような才能がない」。そう思っている人は少なくないだろう。だから、新しい資格を取ったり、勉強したりして、後から武器を増やそうとする。しかし、本当に武器がないのだろうか。漫画家・かっぴー氏の著書『天才になれなかった全ての人へ 自分だけの武器が見つかる才能論』で紹介されている「カード思考」で考えると、まだ自分の持っているカードを確認しきれていないだけかもしれない。(構成/ダイヤモンド社・榛村光哲)
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まず「すべてのカード」を明らかにせよ
「カード思考」では、自分が持っている能力や性質、経験、環境など、自分が使えるものを「カード」として捉えている。
まず、自分が持っているカードをできるだけすべて明らかにする。「文章を書くのが得意」「人前で話せる」といったわかりやすい能力だけではない。「初対面の人とすぐ仲良くなれる」「なぜか年上からかわいがられる」「特定の趣味だけ異常に詳しい」といったものまで、とにかく手札として並べてみる。
大切なのは、最初から「これは仕事に使えそう」「これは才能っぽい」と選別しないことだ。カードとして認識できていなければ、それを仕事や人生で使うという発想すら生まれない。
「自分にとって当たり前」が、一番見つけにくい
ところが、自分のカードをすべて見つけるのは意外と難しい。なぜなら、長く持っているカードほど、本人にとっては「当たり前」になっているからだ。
たとえば、人の顔と名前を一度で覚えられる人は、「みんなそれくらいできる」と思っているかもしれない。しかし、他人から見れば、それは簡単には手に入らない強いカードである。「そんなの普通でしょ」と思っていることほど、本当に他人も普通にできるのか、一度疑ってみたほうがいい。
「生い立ち」にはカードが隠れている
特に振り返ってみたいのが、自分の生い立ちだ。
たとえば実家が飲食店で、小さい頃から商売を身近に見てきた。親が自営業で、子どもの頃から経営者の会話を聞いていた。転勤が多い家庭で育ち、何度も新しいコミュニティに入ってきた。兄弟が多く、幼い頃から人間関係の調整役をしていた。
本人にとっては単なる「育った環境」でも、そこで自然に身についた知識や感覚は、同じ経験をしていない人にはないものだ。こうした生い立ちは後から選べない。
## 後から簡単に手に入らないカードほど使ったほうがいい
多くの人は、自分に足りないものばかりを見てしまう。「英語を勉強しよう」「資格を取ろう」「マーケティングを学ぼう」と、後天的に新しいカードを仕入れようとする。もちろん、それも大切だ。
しかしそれよりも、自分の生い立ちや経験など、他人が簡単には手に入れられないカードを組み合わせたほうが、自分だけの強みをつくりやすい。
すでに持っているのに、それを使わないのはもったいない。
「持っているのに気づいていない」
実は「才能が埋もれてる人」は、自分のカードをすべて確認していないことがある。
「才能」と聞くとつい、特別な能力ばかりを探してしまうが、カード思考で考えれば、使えるものはもっと広い。
だから、「自分には何が足りないのか」を考える前に、「自分はすでに何を持っているのか」を一度すべて棚卸ししてみよう。
すでにずっと持っているのに、それを「カード」だと認識していないだけのカードがまだまだあるかもしれない。





