「能力の高い人を集めれば、強い組織ができる」。そう考えるのは自然なことだ。仕事が速い。知識が豊富。判断力がある。もし、そうした一人ひとりの「仕事能力」を正確に数値化できれば、採用や配置で失敗することもなくなりそうに思える。しかし、組織では、優秀な人を集めただけでは成果につながらないことがある。では、たとえ「仕事能力スカウター」があったとしても、ダメな組織が生まれてしまうのはなぜなのだろうか。『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、その理由を解説する。
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能力値が数字で見えたら、最強の組織ができるか
もし、一人ひとりの仕事能力を数値で測れるスカウターがあったとしたら
――採用も、配置も、昇進も、すべて数字で決められる。
能力値の高い人だけを集めれば、最強の組織ができそうです。
でも実際には、そうはならない。これが、仕事の面白くも難しいところです。
能力値95の人が、チームを弱くすることがある
たとえば、能力値95の人がいたとします。仕事は速い、知識もある、判断力もある。
でも、人の意見を聞かない、他人を見下す、自分のやり方に固執する、困っている人に協力しない
――こうした人がチームに入ると、数字上の戦力は上がっても、チーム全体の力が下がることがあります。
周囲が萎縮する、意見が出なくなる、誰も助けを求めなくなる
――能力値95の人の言動が、組織全体の動きを鈍らせるんです。
反対に、能力値70の人でも、人の話をよく聞く、周囲に協力する、必要なときは素直に助けを求める、間違いをすぐに修正できる
――こうした人は、チームの中で能力値以上の力を発揮することがあります。
周囲が動きやすくなり、情報が集まり、チーム全体の成果が上がっていく。
スカウターに映らないものが、仕事を決める
仕事は「能力」の上に「性格やふるまい」が乗って成り立っています。
スカウターに映るのが能力値だけなら、その数字だけを見て採用・配置・昇進を決めても、組織はうまくいきません。
能力値は確かに重要です。
でも、その能力が実際の職場でどう使われるかは、その人のふるまいによって大きく変わります。
高い能力を周囲と協力しながら使う人と、高い能力を自分のためだけに使う人とでは、組織への影響がまるで違う。
リーダーが本当に見るべきこと
採用でも、昇進でも、リーダーが見るべきなのは「この人は仕事ができるか」だけではありません。
「その能力を、周囲との関係の中でどう使う人なのか」です。
仮にスカウターがあったとしても、その数字だけを信じて組織を作ろうとすれば、必ずどこかでつまずきます。能力値では測れないふるまいまで見てこそ、組織の本当の強さが見えてくるんです。








