信州大学医学部特任教授の能勢博氏信州大学医学部特任教授の能勢博氏 Photo by Hitoshi Imai

前回は全米で大ブーム中のジャパニーズウォーキングの健康効果と行い方、その根拠を、考案者である信州大学医学部特任教授の能勢博氏に聞いた。それは屋外で行うものだが、雨の日など屋内でできるトレーニングはあるだろうか。効率的に筋肉を増やすためにジャパニーズウォーキング後に摂取したい“飲みもの”とともに紹介する。(ジャーナリスト 笹井恵里子)

筋肉が減るだけではない
運動不足が体に起こす「怖い変化」

 前回、ジャパニーズウォーキングを行うことは筋力(体力)を維持し、眠れない悩みを解消する、脳であれば脳血流が改善し、物事の決断や物覚えも早くなるということを紹介した。

 また運動トレーニングを行うと、筋肉が作り出すホルモン様物質によって脳の神経の発達や新生に関わるBDNFと呼ばれる物質が生産されやすくなるとも考えられている。

 ビジネスパーソンが仕事をするために欠かせない要素なのだ。

 信州大学医学部特任教授の能勢博氏は「加えて運動不足は、生活習慣病のリスクも上げてしまう」と解説する。

「加齢や運動不足で筋肉量が減少していくと、細胞でエネルギーを産生するミトコンドリアが機能不全を起こします。その結果、体内に活性酸素ができやすくなって生活習慣病の発症のリスクを高めてしまうのです」

 活性酸素は体内の細胞を損傷するため、それに反応して体内で慢性炎症が起こる。この慢性炎症が脂肪細胞に起これば糖尿病に、免疫細胞に炎症を起こして血管が影響を受ければ動脈硬化や高血圧に、脳で起きれば認知機能低下を引き起こすと考えられている。

 またエネルギー源となるグリコーゲン(糖質)は肝臓や筋肉に蓄えられている。だから筋肉量が減ると、糖を取り込む力、蓄える量が減る。同じ食事をしても、筋肉量が少ない人は糖を速くたくさん取り込めず、“血糖値が下がりにくい体”になってしまい、糖尿病につながりやすい。

 エネルギーを作る力が低下すると、動くのが億劫になり、さらに筋力が低下するという悪循環にも陥る。

「運動をすることは、現在の体力、筋力や脳機能を維持し、生活習慣病を防ぐためにとても大事な行為です」と能勢氏が強調する。

 どうすればいいか。運動して筋肉を増やすしかない。だが、だらだら歩きをいくら続けても意味がない。

1日15分でOK
家でできるトレーニング

 天気や気候の良い日は、ややキツイと感じる「速歩」と「ゆっくり歩き」を3分間ずつ交互に行う「インターバル速歩(ジャパニーズウォーキング)」がお勧めだ。一方で悪天候などで外で運動することが難しい日は家で筋トレ(筋力トレーニング)を。

 能勢氏が二つ、挙げてくれた。