なぜ「初代成田空港駅」が
いま復権するのか

 成田空港は現在、2030年代に向けてB滑走路の延伸、C滑走路の新設により、年間発着容量を34万回から50万回に増加させる抜本的機能強化を進めている。これにあわせて新ターミナルビルを整備し、将来的に第1ターミナル、第2ターミナル、第3ターミナルの全てを統合していく計画だ。

 2025年度の旅客数は年間4077万人だが、発着回数が50万回に達した場合は年間7500万人に到達する見込みだ。現行の輸送形態のままでは、2030年代前半に混雑期のスカイライナーと成田エクスプレスが混雑率100%を超え、京成アクセス特急も150%になることから、抜本的な輸送力増強が必要になる。

 1991年に開業したターミナルビル直下乗り入れ線(成田空港高速鉄道)は、計画中止となった成田新幹線の線路を転用したもので、複線分の空間しかないため、京成とJRがそれぞれ1線ずつ、単線で運行している。そのため京成は1時間当たり最大8本(うちスカイライナー3本)、JRは4本(うち成田エクスプレス2本)の運行で、これ以上の増発は困難だ。

 そこで検討されているのが同区間の複線化だ。2022年7月の「成田空港鉄道アクセス改善に向けた有識者検討会」の提言や、2024年の「今後の成田空港施設の機能強化に関する検討会」の「中間とりまとめ」でも挙げられていた課題だが、「最終とりまとめ」は京成・JR両路線の複線化方針が初めて示された。

 これによれば、京成用の複線は高架線として新設し、地上を走る既設線(単線+単線)は改修してJRが複線として利用する。現行の第2ビル駅、成田空港駅はJRのみ乗り入れ、京成は高架のまま空港に乗り入れる。その新駅の設置位置こそ、東成田駅の隣接地というわけだ。東成田駅が「新成田空港駅」と統合されるのか、隣接する別駅になるのかは未定だが、いずれにせよ数十年ぶりに東成田が復権するのである。