三井住友銀行だけなぜ増えた?「新設法人」を取り込む新戦略
3メガで唯一、三井住友銀行が取引社数を増やした。2025年の取引社数は10万1697社だったが、3450社が取引先の廃業や合併、倒産などでメインバンクから外れた。一方で、新たに4310社がメインバンクとなり、前年から860社増加した。
新たにメインバンクになった4310社の業歴を調べると予想外の結果が出た。三井住友銀行など大手行で法人口座の新規開設は、審査が厳しいのがこれまでの通説だった。それが4310社のうち、1349社(31.3%)が5年未満の新設法人、ベンチャー企業だった。
4310社の取引支店は、「トランクNORTH」支店が151社で最も多い。「トランク」は、2025年5月に始まった中小企業、新設企業向けデジタル総合金融サービス「Trunk(トランク)」のデジタル支店だ。振込手数料が安く、請求書支払いなどの機能付きサービスもあり、三井住友銀行によると2026年7月時点で9万口座を突破したという。数ある金融機関からこの「トランク」をメインバンクに選ぶには、それだけの理由があるのだろう。
4310社の本社地は、東京都が1913社、大阪府が934社、兵庫県が497社など、都市部が中心だ。「トランク」は信用保証協会の保証付き融資も活用でき、新設法人の資金ニーズもくみ取るだけに、この流れが地方に浸透すると地元の金融機関もうかうかできない。
みずほFGも中小企業向け金融サービスがスタートし、三菱UFJFGもオンラインで資金調達が可能な中小企業向け融資サービスを予定する。ネット銀行が急速に中小企業の口座数を増やす中、中小企業向け取引が再び脚光を浴びている。








