このとき、「すでにアプリ運営会社に支払い済みである」という理由で支払いを断られても、労働者への直接払いが原則です。あくまでも支払う義務は企業にあります。
賃金に関しては2時間の契約で働きに行き、実働1時間で作業が終わったとしても、求人した企業は2時間分の賃金を支払わなくてはなりません。
また、2時間が3時間になったら、超過分も支払う必要があります。
トラブル例2 頼まれた仕事が
求人票と異なったらどうする?
スキマバイトでは、働く内容を明らかにして募集しているので、職務限定で契約しているといえます。
そこで求人と違う仕事をさせられそうになったら原則として拒否できます。この場合、「使用者の責に帰すべき理由」での拒否になり、賃金を受け取る権利があります。
労働基準法ではスキマバイトでも、企業は労働条件通知書を交付する義務があります。交付はメールでもショートメッセージでも形式は自由です。
マッチングが成立するとアプリ内で電子データとして交付されるケースもあれば、求人先から直接交付されるケースもあります。
事前に自分の仕事内容を確認しておきましょう。
また、トラブルに備えて募集時の「業務内容」画面のスクリーンショットを撮っておき、現地で指示された業務内容のメモなどを残しておくといいでしょう。
トラブル例3 同じ求人先なのに6回目の
スキマバイトでは賃金が下がった
スキマバイトでの賃金は応募時点の求人に記載された時給が適用されます。ですから、賃金を下げても人が集まると企業側が判断すれば、応募する際の賃金額を減額できてしまいます。
前回は時給1500円だったのを1400円にすることも、1300円にすることも可能なのです。
「その賃金では働きたくないと思えば応募しなくてもいい」というのが、企業の考え方です。ただし、最低賃金以下に引き下げることは違法です。
スキマバイトの普及で
低賃金化が進む懸念もある
スキマバイトは働き方として、非常に柔軟で、また、便利なものです。本当に、スキマ時間にだけ働くのであれば悪くないと思う人も多いでしょう。
『職場のトラブル即解決!あなたを守る労働法』(佐々木 亮、徳間書店)
しかし、この働き方が普及しすぎるとどうなるでしょうか。企業は、毎回毎回、求人募集をし、新しい契約を結ぶという形式をとるために、先ほどのケースのように賃金を引き下げることが容易となってしまいます。
また、こうしたことを悪用して、全労働者にスキマバイトのアプリに登録させて雇う企業も出てきています。
そうすると、人員削減がとても容易になるうえ、賃金を下げることも可能になってしまいます。
便利な働き方ですが、これが普通の働き方になるほどにまで拡大していくと、たちまち労働者は低賃金で不安定になってしまいます。
こうした点から、スキマバイトについては適正な規制が必要だという声も多くあることも知っておいてください。







