たとえば所定労働時間が9時から休憩1時間をはさみ17時までの7時間労働となっている会社で労働者が18時まで働いたら、この1時間分が法内残業となります。もし同じ人が19時まで働くと18時から19時までの1時間は法外残業になります。18時より先は8時間の制限を超えた残業だからです。
残業に対しては残業代を支給しなければなりません。そして、法律では法外残業には割増賃金を支払うよう義務付けています。
割増率は1時間当たりの賃金の1.25倍以上です。深夜労働(22時~翌日5時)の場合はさらに25%割り増しとなり、トータルで1.5倍以上になります。
休日出勤は「法定休日」か
どうかで割増率が変わる
休日の労働にも残業手当と割増賃金があります。割増賃金が法律で義務付けられているのは、法定休日だけです。
法定休日とは、法律で定めている1週1日あるいは4週4日の休日のことで、曜日は限定されていません。法定休日以外の休日で、会社が定めている休日を所定休日といいます。
たとえば週休2日の会社の場合は、どちらか1日が所定休日になり、もう1日が法定休日となります。どちらを所定休日にするか、どちらを法定休日にするかは労働契約の内容によります。
土・日曜日が休日なら、土曜日が法定休日、日曜日が所定休日でも、土曜日が所定休日、日曜日が法定休日でもかまいません。
法律では、法定休日に働くと1時間当たりの賃金は1.35倍以上になります。他方、所定休日の場合は、法律での義務付けはなく、法外残業にあたれば割増賃金1.25倍以上が、法内残業にあたる場合には割り増しは義務づけられていません(ただし、会社の就業規則などで法内残業でも割り増しするという場合があります)。
所定休日か、法定休日か、会社のなかには両者の区別を明確にしていないところもあります。
『職場のトラブル即解決!あなたを守る労働法』(佐々木 亮、徳間書店)
そのような場合、裁判所では暦週の後にくる休日を法定休日とする場合が多いようです。暦週は一般に日曜日から土曜日を指すので土曜日が法定休日になります。
すると土曜出勤は法定休日労働となり1.35倍以上の賃金計算になります。
このように法定休日がいつになるかで割増率が変わるので、就業規則で法定休日、所定休日の区別を確認しておいたほうがいいでしょう。
また、労働基準法は最低限の定めなので、これよりも労働者に有利な事項を会社が独自に定めることは許されています。なかには会社独自の割増率を設けている場合もあるので、就業規則などをよくチェックすることが大事です。







