しかも、山梨リニア線には最大勾配40パーミル(1000分の40)の急坂がある。鉄輪式新幹線の最急勾配は原則15パーミル。例外的に最大35パーミルの区間が存在するが、このような区間は最高速度での運転はできない。
一方、摩擦力で走行しないリニアは40パーミル、つまり1両(中間車23.4メートル)の両端で約1メートルの高低差が生じる急勾配であっても加速力が変わらない。最高速度の比較だけでは見えてこない、鉄輪式新幹線との最大の違いがここにある。
L0系改良型試験車中間車「M10」の車内(筆者撮影)
乗り心地については、2020年の試乗時と同様、拍子抜けするほど普通であった。筆者は当時、「確かに時速500キロ走行時の揺れと騒音は東海道新幹線を上回るが、普通に立って歩くことはできるし、特に声を張らなくても会話が可能なレベル」と記している。
今回はそれ以上に自然な乗り心地だった。時速150キロを超えて「離陸」すると、タイヤのカタカタとした振動がスッとなくなる。なお、ガイドウェイは空港の滑走路より平らなので、タイヤ走行時の振動は旅客機の滑走より格段に小さい。
時速500キロに到達しても大きな揺れはない。車外から時速500キロ走行を見ると数秒で視界から消える速さだが、密閉された車内では速度を感じない。加速度が高いといっても自動車や航空機には遠く及ばないため、席に押し付けられるような感覚もない。気が付いたら時速500キロに到達している。前回試乗では「揺れと振動は東海道新幹線を上回る」と書いたが、今回は「東海道新幹線にはもっと揺れる区間があったかもしれない」と思える程度だった。
騒音についても、車内天井部に吸音パネルを設置した効果で緩和したように感じた。筆者は単独参加だったが、複数人で参加したメディア関係者は普通に会話していたし、動画を収録する人もいたくらいだ。







