不動産バブル崩壊から景気回復せず…
中国経済の「光と影」とは
振り返れば2020年8月、不動産融資規制(3つのレッドライン)をきっかけに、中国の不動産バブルは崩壊した。それ以降、なかなか不良債権処理が進んでおらず、中国の景気は本格的に回復していない。
ただし、全ての産業で一様に業績が悪化しているわけではない。最先端のAI分野は活況を呈している。その一方で、不動産や小売りなど従来型の分野は依然として厳しい状況が続いている。
中国主要70都市における8月の新築住宅価格動向によると、前月比で価格が下落したのは全体の70%、49都市に上った。マンションの完成前に代金を払い込む予約販売が一般的なため、建設中断による未完成物件の増加や、個人の返済負担の増加がかなり深刻になっている。
消費者の節約志向から、さまざまな需要が減退していることは他にも確認できる。一例として8月の新車販売台数は振るわず、EVは値引き合戦が繰り広げられている。小売業界も同様で、今春以降の売上高は前年同月比で伸びずゼロ近傍で推移している。こうした中国経済の影響、とりわけ自動車やバッテリー関連の不振は、わが国企業の業績にも多大な影響を及ぼす。
それとは対照的に、AI関連分野の景気は良好だ。テンセント、アリババ、シャオミ、ファーウェイなどのIT大手に加え、ディープシークや月之暗面(ムーンショットAI)などの新興AI開発企業は、相次いで低価格・高性能な推論モデルを発表した。先行する米オープンAIやアンソロピックのモデルとの性能の差は、かなり小さくなっている。
半導体関連分野も堅調で、9月11日にはAIチップ開発の上海燧原科技(エンフレーム・テクノロジー)がIPO(新規株式公開)を果たした。半導体製造装置メーカーも急成長している。







