「正直、まだそれほどお金にはなっていません。例えば先月だと、売り上げは5万円くらいです」
そう話すのは、39年続くソフトウェア開発会社「MBAインターナショナル」で、3年ほど前からインディーゲーム制作を本格化させた杉橋光博さんだ。
現在はエンジニア兼プログラマー1名と、宣伝などそれ以外をすべて行う杉橋さんの2人でゲームを制作。この日ブースで紹介していた「Ad Aquilonem - セトと風の遺跡 -」などNintendo Switch向けにこれまで6本ほど発売してきた。新作を出した直後には月20万~30万円になることもあるが、安定して人件費をまかなえる水準には届いていないという。
「今の目標は、一緒にやっているプログラマーの給料分をゲームの売り上げで稼ぐことです。そこまでいけば、デザイナーを入れたり、新しいスタッフを雇ったりできるので」
一方、一人でゲームを開発するのが「FlyteCatEmotion」の小林総満さんだ。前作は、販売本数約120本。売り上げは10万円弱だった。販売ルートもこちらが想像したものとは違った。
「FlyteCatEmotion」の小林総満さん 撮影=筆者
「実は一番売れるのが東京ゲームショウであるとか、インディーゲームのイベントでの“手売り”なんですよ。ブースに来てくれた人に『これ作ったんで、買ってください』と声をかけて、ダウンロード用のQRコードが書いてある名刺を渡すんです。その場で買ってくれたら100円引きにしていて、オンライン決済だから値段自体は下げられないので、1500円のゲームなら100円玉を1枚その場で渡しています(笑)。それを積み重ねて120本くらい売れました」
現在販売している和風パズルアクションゲーム「無刃刀 -真打-」には開発に3年以上を費やしている。
「ゲームだけで生活しているわけではなく、ほかの仕事でお金を稼ぎながら作っています。生活が本当に厳しかった時期は、口座の残高が400円しかなかったこともありました(苦笑)」
ゲーム数の増加がもたらした
「売れ方の変化」
2000万本売れるゲームがある一方で、100本を売るために一人ずつ購入者を探す開発者もいる。同じ「インディーゲーム」という言葉でくくられてはいるが、収益にはすでに大きな格差がある。そして、この差は今後さらに広がる可能性がある。







