経営 X 人事
若手社員を辞めさせず成長させる 「適度なかまい方」マニュアル
【第12回】 2009年4月14日
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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

ダメな若手は水際でストップ! 大事なのは、「かまうに足る若手」を採用できるかどうか

――良い採用ができるかは、面接官次第?!

 『新入社員はなぜ「期待はずれ」なのか』(光文社新書)を書いた採用コンサルティング会社・トライアンフの樋口弘和社長は、「面接で相手を正確に評価するためには、“過去の事実”を正確に語らせることです」と指摘します。

 「人は、“いまからこんなに頑張ります”と未来に対しては大風呂敷を広げられても、“過去にこういうことをやりました”という事実には嘘がつけません。仮に多少脚色して語ったとしても、質問を重ねていけばそれはバレていきます。応募者がどんな“達成感”を持っているのか、どんな“行動特性”をもっているのか。質問を重ねていくことでそれらを聞き出していくのです」

 たとえば、こんな質問が考えられるでしょう。

Q、大学受験の際、目標に対してどんな努力をしましたか? 途中の試練をどう乗り切りましたか?

Q、大学生活で、もっとも頑張ったと思えることは何ですか?

Q、あなたは就職活動を始めるにあたって、どんなことを考え、どんな準備をしましたか?

Q、就職活動で思うようにうまくいかず悩んだり、悔しかったことがあれば教えてください。

 いずれも事実を応えさせる質問です。

 面接には、毎年大量の「サークル幹事長」がやってきます。いまの学生の間では歴史あるサークルは人気薄のようで、仲間同士でサークルを立ち上げて、みんなで役職に就くことが流行りだそうです。もちろんそれは、就職の面接でアピール・ポイントにするためです。

 遊びのサークルだからダメ、ということではありません。そこでどんな活動をしたか、どんな点に苦労したか、どんな達成を得られたか、というように具体的な事実を掘り下げて聞いていくことが肝心です。

「若手のエース人材」を
面接官に起用する

 樋口社長が実施した調査によれば、新卒採用における第一印象(自己紹介直後まで)と面接終了時の評価を統計化したところ、実に「85%が、第一印象の評価と同じ」という結果になったそうです。これは結局、判断基準のほとんどが第一印象に支配されており、一連の面接プロセスがあまり機能していないことを示しています。

 もちろん、好き嫌いを完全に排除することはできませんが、面接官の質問スキルを向上させ、それを共有することができれば、より客観的な判断ができるようになるはずです。第一印象だけではない、その人本来の姿が引き出せるかどうか。それが、面接官の腕の見せどころなのです。

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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

1961年、東京都生まれ。1986年 、早稲田大学第一文学部文芸専修卒業、ダイヤモンド社入社。週刊ダイヤモンド編集部に配属され、以後、記者として流通、家電、化学・医薬品、運輸サービスなどの各業界を担当。2000年 週刊ダイヤモンド副編集長。2006年 人材開発編集部副部長。著書に『だから若手が辞めていく』(ダイヤモンド社刊)

 


若手社員を辞めさせず成長させる 「適度なかまい方」マニュアル

若手社員はなぜすぐに辞めてしまうのか――。放置プレー上司が多い中、早期離職を防ぐためには、若手を「“適度に”かまう」ことが大切。部下を辞めさせることなく成長させる人材マネジメントのノウハウを伝授する。

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