毎年の減少率から
「子ども1人」のXデーを計算する

 この時計の原理は簡単である。総務省が公表する『人口推計』の結果に基づき、毎年4月1日時点の子どもの数を、1年前の4月1日時点の子どもの数と比較する。そして、この1年間で子どもの数が何パーセント減少したかという減少率を計算する。その減少率がそのまま続くとして、今年の人口にその減少率を掛け合わせて、来年の子ども人口を推定するのである。

 あとは、この計算を繰り返して行い、どんどん減少していく未来の子ども数が算出できる。2026年版の子ども人口時計では、2025年からの1年間の子どもの変化率はマイナスで約2.6%であった。そこで、このマイナス2.6%を2026年4月1日の推計子ども人口1329万人に適用して、次の2027年までに減少する子どもの数を求める。そして求めた2027年の子ども人口にまたマイナス2.6%を適用して、2028年までに減少する子どもの数を求める。あとはこの繰り返しである。

 ここでは、1年(=12カ月)で約2.6%減少していることが分かっているので、1カ月での減少率を求めることも可能である。さらに1日単位での減少率を計算することもできる。そこでこの子ども人口時計は、まずその年の4月1日の人口から、5月5日までの子どもの減少を1日単位で計算して、その年の「こどもの日」時点の子ども人口を計算して公表している。

 さらに、有効数字を無視すれば、1年は60秒×60分×24時間×365日なので、機械的に1秒単位の子どもの減少数を計算して刻々と表示することも可能である。子ども人口時計が単なる日本の将来の子どもの数の予測計算ではなく、子ども人口「時計」と呼ばれる理由はそこにある。

 子ども人口時計のヒントは、ニューヨークの金融街ウォールストリートに設置されている「アメリカの財政赤字時計」である。この時計は、1秒ごとにアメリカの国としての借金の利子支払いが増えていく様子を示し、人びとに財政改革先送りのコストを気づかせる効果を持っている。

Xデーは年を追うごとに
前倒しになっている

 似たようなものに、人びとに現状の深刻さを気づかせる時計としては「世界の終末時計」というものもある。