このような形で投資された資金は、会計ルール上で、(1)売買目的有価証券、(2)満期保有目的債券、(3)子会社株式・関連会社株式、(4)その他有価証券、に分けて区分することが定められている。(1)~(3)に該当しない有価証券が、(4)に区分される建て付けだ。

 その上で、まとめて区分されたその他有価証券は、価値を踏まえた財政状態を正確に開示するため、時価で評価した数値を貸借対照表に反映することが定められている。信用組合についても、その例外ではない。

金利上昇でなぜ債券は値下がり?信用組合を直撃するワケ

 投資の中心は有価証券であり、その中でも価格変動幅(ボラティリティ)が相対的に小さく信用力が高い国債など、国内債券が多くを占める。それを毎月などの頻度で一定額ずつ積み上げていく“ラダー(はしご)買い”と呼ばれる手段などが典型的な投資姿勢だ。こうした国内債券なども、購入・投資後に金利が上昇すれば、価格が下落する。

 信用組合を含む投資家は、(金融)資産として資金を国内債券へ振り向けるため、当然ながら少しでも高い金利の債券に資金が集まる。それとは逆に、国を含む債券の発行者(発行体)側は、少しでも低い金利で発行することで利払い負担を軽減しようとする。それゆえに、債券の発行利率は、発行時の市場金利動向に左右される。

 例えば期間10年の市場金利が年3%だった時点で、「期間10年/利率年4%」の条件で発行し、発行直後に市場金利が1%上昇した例で、ごく簡単に説明したい。

 発行時の債券の利率(=年4%)と市場金利(=年3%)との差である1ポイントが、発行体から資金が返還(償還)されずに投資した資金が回収されないことに対するリスクプレミアム分に当たる。いわゆる信用リスクと呼ばれるリスクを取得することに対する対価だ。

 それに対し、発行直後に期間10年の市場金利が上昇して年4%になれば、「無事に償還されない(かも知れない)」危険を冒さずとも市場取引だけで4%が受け取れる。よって発行済みの債券の価値・魅力が下がり、価格(時価)が漏れなく下落する。