「感じのいい乗客」とは
結局どんな人なのか
こうして振り返ってみると、筆者の印象に残っている「感じのいい乗客」は、多額のチップを手渡すなど、特別なことをしてくれる人ではない。
シートが濡れないように傘を畳む。充電ケーブルの使用後に元に戻す。降車時に忘れ物がないか確認する。こうした小さな配慮を欠かさない人こそ、本当に「感じのいい人」だと言える。
余談だが、孔子の言葉に「己の欲せざる所は、人に施すこと勿(なか)れ」というものがある。「自分がされて嫌なことは、他人にするべきではない」という意味だ。
乗客とドライバーの双方が、この意識を持つことが、お互いにとって気持ちのいい移動時間につながるのだと思う。
狭いタクシーの車内では、ちょっとした言葉や動作の意図が、思っている以上に相手に伝わる。筆者もそのことを忘れずに乗客と向き合っていきたい。







