ラウンジの不満やカスハラが
機内のCAへ向かわないか心配
ラウンジを断られた客は、不満を抱えたままANA便に搭乗する。「SFCなのにラウンジに入れなかった」「ANAの制度はどうなっている」「説明してほしい」といった不満が機内へ持ち込まれれば、本来その制度に業務上は関係のない客室乗務員(CA)が矢面に立たされる可能性がある。
場合によっては、それが理不尽なクレーム、カスタマーハラスメント(カスハラ)に発展することも想像できる。利用可否の基準をあいまいにしたままラウンジ受付に判断を委ねれば、トラブルの火種を機内へ持ち込むリスクが高まるのではないか。
現場の運用を徹底すれば、万事オーケーなのだろうか。トラブルの増加を容易に予測できるにもかかわらず、現場判断に委ねる制度を、経営が選択する組織の意思決定こそ問われるべきではないか。
ANAに今、必要なのは
現場をラクにする制度設計だ
一方で、すべての利用者が今回の改定に否定的なわけではない。
「これまでのSFCは獲得難易度の割にサービス過剰だった」「300万円以上使う客やプラチナ、ダイヤモンド会員をより快適にすべき」という意見もある。
ラウンジの広さは限られている。自社の収益への貢献度に応じて配分しようとする考え方には、一定の合理性がある。 だからこそ必要なのは、誰が見てもわかるルールである。
年間利用回数を設定する、予約方法を明確にする、混雑度をアプリで表示するなど、会社が責任を持って線を引く方法はいくらでも考えられる。「最後は受付で聞いてください」という制度は、一見柔軟でありながら、実際には最も難しい判断を現場へ押しつけているのではないか。
ANAは今回、客の声を聞いて制度を修正した。次に問われるのは、その制度によって働く社員を守れるかである。いくら接客力が強みだ、自慢だといっても、こうした問題までラウンジ担当者やCAの接客力任せにしてはいけないと思う。今回のSFC問題は、ANAの組織風土を浮き彫りにしている。







