ちなみに1990年の国民負担率は38.4%、税負担27.6%、社会保険10.8%だったから、この間に主に上昇したのは社会保険負担の方であることもわかる。

低い国民負担率の裏に
国債による将来への先送り

 今度は表5-5で6カ国を選び、潜在的国民負担率もみてみる。潜在的負担率は財政赤字幅(=将来負担)を加えたものである。

表5-5 国民負担率・潜在的国民負担率の国際比較同書より転載 拡大画像表示

 この中では日本の国民負担率はアメリカに次いで低いが、潜在的負担率は22年で約55%と平均レベルになる(25年には上乗せ幅は縮小した)。

 日本の国民負担率は低い部類だが、それは負担の先送り(国債発行)にもよっており、潜在的には中位になるのである。

 こうして、日本では財政赤字によって負担を先送りしている部分が大きい。それはもちろん政治的決定の結果であるが、国民の負担忌避を示している。米エデルマン社の2020年の調査で、政府への信頼度は11カ国中日本が最低であり、また日本経済新聞社の同年の調査で信頼度が最も低かったのがマスコミ、次いで国会議員だったという(注1)。

 このことと負担忌避の態度とは結びついているはずであり、問題の根は深い。

消費税が最大税目となり
所得税と法人税は減った

 次に表5-6で、国の主な税収とその対GDP比を、1990年度と2025年度(当初予算ベース)について比べてみる。

表5-6 主要税の税収と対GDP比(1990年度と2025年度)同書より転載 拡大画像表示
(注1) 『日経』2021年8月18日号。