税収総額はGDP比で13.0%から11.8%に下がっている。内訳では、消費税が4.6兆円から24.9兆円に大幅に増加して最大税目となり、GDP比も1.0%から3.8%に拡大した。
これに対して、所得税は同じく26.0兆円:5.6%から22.7兆円:3.4%に大きくダウンした。法人税は18.4兆円から19.2兆円とほぼ横ばいだが、GDP比は4.0%から2.9%へ下がった。
また法人税収はごく最近回復したのであり、2020年度まで長く10兆円前後に低迷していた。所得税、法人税の減税による税収減がきわめて大幅だったのである。これら3税以外の税収も11兆円ほどで横ばい、GDP比も2.4%から1.7%に下がっている。これらが財政赤字を拡大、累積させてきた。
『日本経済はなぜ沈下したのか 「正しさ」が招いた35年の停滞』(伊藤 修、朝日新聞出版)
この間にGDP、国民所得とも1.4倍になり、企業の経常利益(財務省「法人企業統計」)に至っては1990年度38.1兆円から2023年度106.8兆円へ3倍近く増加している。この状況を放置しているのは通常の理解の範囲外だろう。
消費税の導入と重視は、「9割が中流意識」などといわれた格差の小さい状態を前提としたものだった。“格差社会”に大きく変化した現在、税制は根本から再検討されてしかるべきである。
ちなみに1990年度前後のGDP比であれば、2025年度の税収は、所得税37兆円、法人税26兆円、2税合わせて63兆円で、消費税・その他を加えて税収総額99兆円となり、財政収支が20兆円以上改善する計算になる。
消費税を現行税率でストップし、上の直接税再改革を行なうことで、債務の累増にブレーキをかけ、同時に再分配を強化することができる。







