従業員を対象にした大規模なアンケート調査で、「職場で最高の1日はいつだったか」と尋ねたところ、「上司に褒められたとき」という答えが圧倒的に多かった。また、上司から称賛と承認を得た人たちは、生産性が31%も高かった。

 自分が褒められたときにどう感じたか思い出そう。称賛と承認を惜しんではいけない。称賛と承認は、コストをかけずに奇跡を起こす力を持っている。

手柄を分かち合い部下を褒めれば
組織も人間関係も好転する

偉大なリーダーの特徴は、功績をあげても手柄を独り占めせず、
周囲の人に花を持たせるだけの気配りができることだ。

チャールズ・シュワブ(アメリカの実業家、USスチール初代社長)
『words of wisdomいつも運のいい人が考えていること』書影『いつも運のいい人が考えていること』(マーク・レクラウ著、弓場 隆訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 偉大なリーダーは手柄を独り占めにせず、協力してくれた人たちをたたえて功績を分かち合う。この習慣はチームの結束を強める。

 部下は自分の価値や努力を認めてもらうと、チームのためにもっと頑張ろうという気持ちになるからだ。

 一方、手柄を独り占めするリーダーは、部下の反感を買うため協力を得にくくなる。

 功績をあげたときに部下をたたえるには寛容性と謙虚さが必要だが、それは大きな効果を発揮する。部下の価値や努力を認めるリーダーは、信頼関係を築いて忠誠心を育むことができる。

 また、部下はそういうリーダーを公平で良識のある人格者として尊敬する。

上司からの批判ほど部下のやる気を削ぐものはない。私は誰に対しても批判的な言葉をいっさい口にしない。部下に働く意欲を与えることが、自分の責務だと確信しているからだ。私は他人のあら探しをするのが大嫌いで、他人を褒めたがる性分である。だから、もし何かが気に入ったら、心を込めて惜しみなく褒めることにしている。

チャールズ・シュワブ(アメリカの実業家、USスチール初代社長)

 この教えを実践する人が増えたら、どの組織も飛躍的に発展し、どの人間関係も顕著に改善し、どの子供も健全に成長することだろう。

 批判は建設的ではない。相手のプライドを傷つけ、反感を買うおそれがあるからだ。

 一方、褒めると生産性を高めることができる。相手は気分をよくして期待に応えようとするからだ。叱るか褒めるかという選択に迫られたら、常に後者を選ぶべきである。

相手を理解し許すように努めると
たいてい素晴らしい結果になる

他人を批判し、叱責し、小言を言うぐらいなら、
どんな愚か者でもできる。
だが、他人を理解して許すためには、
高い人格と強い自制心が必要である。

デール・カーネギー(アメリカの著述家、講演家)

 他人を批判し、叱責し、小言を言うのはあまりにもたやすく、なんの努力もいらない。実際、多くの人がそういうことをしがちである。だが、それでは相手の反発を招くだけで、心が通じ合わない。

 一方、相手を理解し許すように努めると、たいてい素晴らしい結果になる。

 相手の立場から状況を眺めると、緊張が解けて対話の糸口がつかめるし、相手は敬意を払ってもらっていると感じて協力的になる。また、相手を許すと敵意が消えて愛情や友情が芽生える。

すべての人が自分の価値や努力を認めてほしいと渇望している。
誰もがそうやって自尊心を満たしたいのである。
これは空腹を満たそうとするのと似た切実な欲求であり、
まさに人間の本性に関する根本原理だと言える。
誰もが抱えているこの強烈な心の渇きを誠実な気持ちで癒せば、
相手の心を鷲づかみにし、とりこにすることができる。

デール・カーネギー(アメリカの著述家、講演家、成功哲学の提唱者)