米国流で成功したのも束の間…
トイザらスが犯した「失敗」とは?

 トイザらスは、日本に米国流のビジネスモデルを導入した。マイカー来店を前提に、郊外に大型店舗を構え、メーカーから大量仕入れを行って販売価格を引き下げた。

 一方で、トイザらスの日本進出と時を同じくして、小売業の大型出店が増えた。2000年代半ば以降は、家電量販店や大手スーパーもおもちゃを取り扱い始め、価格競争が激化した。

 日本の消費者のニーズも変化した。子どもというよりもむしろ大人による、ホビー購入が増加した。2015年度の国内玩具市場は約8000億円規模だったが、2025年度は1兆1664億円に拡大成長している。

 その主な牽引役は、カードゲーム、トレーディングカードだ。同期間中、これらの市場規模は約961億円から3384億円に増加した。訪日外国人(インバウンド)による日本のおもちゃ需要や、推し活グッズ、カプセルトイも伸びている。

 店舗の運営形態も変わった。仕事帰りのビジネスパーソンなどが来訪しやすいよう、都市部の駅に近いカプセルトイ専門店などの小型店舗が増えている。需要が縮小気味の日本経済において、おもちゃは数少ない成長分野との指摘すらある。

 一方、日本トイザらスも全くの無策だったわけではない。小型店舗の運営やキダルト需要などの取り込みに向けた改革に取り組んではいた。

 ただ、その踏み込み方が十分ではなかった。日本事業全体は収益減少にもかかわらず、国内店舗数はほとんど減らなかった。2017年5月時点で160店だったのに対し、現在は158店だ。一般的に郊外大型店は賃貸契約の縛りが厳しいことが多い。固定費の引き下げが難しかったのだろう。

 米本社が2005年に投資ファンドに買収されて以降、米親会社の清算など株主構成もめまぐるしく変わり、長期の投資に耐えられる株主が不在だった。ビジネスモデルの優位性が失われたことに加え、コスト構造、不安定な株主構成もトイザらスの日本撤退の要因になったとみられる。