「長く働いたごほうび」と思っている退職金が、じつは会社員を会社につなぎ止める“身代金”になっている――。そんな見方もできる。退職金を失いたくないばかりに、転職や新しい挑戦をためらってはいないだろうか。では、会社員が退職金よりも優先して積み上げるべき「資本」とは何か。※本稿は、実業家の堀江貴文『やってはいけない 絶対損する金の使い方』(徳間書店)の一部を抜粋・編集したものです。
退職金は「ごほうび」では
なく給与の後払いだ
堀江貴文氏 提供:徳間書店
退職金という言葉には、妙なありがたみがある。長年働いた人へのごほうび。会社が用意してくれる老後資金。そう思っている人は多い。違う。退職金は労いでも、会社からのプレゼントでもない。本来なら毎月の給与として受け取れたはずのお金を、何十年も後払いにされているだけだ。あくまであなたの給与である。それを「いただけるなんてありがたい」と拝んでいるのだから、おかしな話なのだ。
そもそも退職金の仕組みは、戦後の資金不足のなかで広まった。当時は大半の企業に余裕がなく、月々の賃金を十分に払えなかった。そこで従業員が辞めるときに不足ぶんをまとめて支払うスキームが取られたわけだ。その慣習がいまも続いているのである。会社の会計を見ても給与の後払いであることは明らかだ。退職金制度のある会社は将来支払う退職金を「未払いの賃金」、つまり債務として計上している。
わたしはライブドアを経営していたとき、退職金制度をつくらなかった。働いたぶんは、そのときの給与で渡す。会社が社員のお金を何十年も握り続ける必要などない。そのほうがずっと健全だと考えていたからだ。
後払いの退職金は
不安と不利にまみれている
後払いの何がまずいのか。4つある。







