自動車 解体#10ソニー・ホンダモビリティHPより

ソニー・ホンダモビリティ(SHM)が、希望する社員に退職パッケージを提供していることがダイヤモンド編集部の取材で分かった。応募者には退職一時金が支給される。また、ホンダは、8月1日付で、「SHM事業の受け皿」となる部署を二つ新設する。両部署は単なる受け入れ先ではなく、今後のホンダのクルマ造りを左右する重要な役割を担う。特集『自動車 解体』#10では、新部署の実像を明らかにするとともに、ホンダが描く次世代のクルマ造りを追った。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

SHM社員の希望者に退職パッケージを提供
ソニー側に「特定の受け皿部署」はなし

 ソニー・ホンダモビリティ(SHM)が、希望する社員を対象に退職パッケージを提供していることがダイヤモンド編集部の取材で分かった。退職パッケージへの応募者には、退職時に一時金が支給される。

 3月12日にホンダがEV(電気自動車)戦略の見直しを発表したのを受け、SHMは事実上の休眠状態となっている。

 SHMには、親会社のホンダとソニーグループからの出向者と、あるいはSHMが独自に採用したプロパー社員がいる。前者は、所属元のホンダやソニーグループへ帰任する。後者については、SHMが「本人の希望を踏まえた上で、原則として全員を両親会社等へ再配置する」と4月21日に発表していた。

 ただし、SHMのプロパー社員の多くは、同社のEV「アフィーラ」のビジネスに携わることを志して入社した人材だ。関係者への取材によれば、約100人いたプロパー社員のうち、すでに半分程度がSHMを去ったという。ホンダやソニーへの配置を希望しない社員もいるため、SHMは希望者に退職パッケージを提示しているとみられる。あくまで本人の意思を尊重した選択肢の一つであり、いわゆる退職勧奨とは異なる。

 あるSHM関係者は、「(SHMプロパー社員を)ホンダもソニーも受け入れ先を用意している。本人が『別のキャリアを歩みたい』のであれば、その選択もできるようにしている」と説明する。

 ソニーについては、帰任者やSHMプロパー社員を受け入れる特定部署を設けていない。「本人の希望を踏まえて配置を決めるため、『この部署に行く』という決まった受け皿はない」(同SHM関係者)としている。

 一方、ホンダは、8月1日付で「SHM事業の受け皿」となる部署を二つ新設する。実は、両部署は単なる受け入れ先ではなく、今後のホンダのクルマ造りを左右する重要な役割を担うことになりそうだ。

 次ページでは、ホンダ幹部や関係者らへの取材を基に、新設される二つの部署の全貌と、ホンダの次世代車開発における位置付けを明らかにする。