eスカイがラッコに勝っている点は、エンジン車の燃費に当たる「電費」と「小型化」で一定性能を両立したことだろう。eスカイは国内軽EV最小の電費値97Wh/km、車両重量は1030kgと軽い。充電時間は50km走るなら急速充電で5分、航続距離は310kmにまで延ばした。

 eスカイの電費は、1㌔㍗時あたり約12㎞(11・92km/kWh)。ラッコの約9kmに比べると、同じ電力量で約3割も長く走れる。

 軽自動車ユーザーがクルマに求めるものは、とにかく実用的か否かにある。そのためムダを徹底排除。車両重量の軽量化にも成功した。ラッコの1200kgに対して、eスカイは1030kg。電池容量も26㌔㍗時と小型化しながら航続距離の満充電310kmを実現している(ラッコ300は、35.84㌔㍗で320㎞)。

 一方で、eスカイがラッコに負けている点があるとすれば、それは何か。eスカイは駆動装置(eアクスル)を自社開発したが、電池はBYDのリン酸鉄リチウムイオン電池を採用している。つまり、コスト面でBYDが優位にある。

 ラッコは日産の軽EV「サクラ」の開発者をヘッドハントして、日本の軽市場を徹底的に研究して開発された。しかも最も売れ筋であるカテゴリー、スーパーハイトワゴンの軽EVである。この作戦は今のところ当たり、発売後の初速は好調なようだ。

 いずれにしても最大の焦点は、販売価格である。ラッコのエントリーグレードが214万5000円~、ハイグレードが249万7000円だった。

 eスカイは、200万円前後になるとみられるが、各種補助金も適用して実質的な価格が一体いくらになるのか。ラッコのように実質100万円台になるのか。

 ただし、スーパーハイトワゴンの軽EVラッコと、オーソドックスタイプのハイトワゴン軽EVのeスカイでは、微妙にカテゴリーが異なるのも事実。

 そのため戦略も異なる。ラッコはそもそも、中国BYDの海外戦略において日本市場の約4割を占める軽自動車カテゴリーに参入する橋頭堡である。